ラディカル・リフォーメーション

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ラディカル・リフォーメーション(The Radical Reformation)とは宗教改革における急進派を指す呼称。16世紀に、ローマ教皇を中心とするカトリック教会の堕落に抗議してプロテスタントの宗教改革が起こされる中で、ラディカル(急進派)に過ぎ、カトリック教会からだけでなく、マルティン・ルター等のプロテスタント主流からも堕落しているとみなされた運動を指す。

ラディカル・リフォーメーションは、ドイツスイスに始まり、その中には急進的・過激なグループもあらわれた。宗教改革急進派(しゅうきょうかいかくきゅうしんは)とも訳される[1]。かつては熱狂主義者(シュヴェルマー)と呼んで非難され、反宗教改革的なものとされた。ラディカル・リフォーメーションの語は近年のものである。[2]

当時カトリック教会もプロテスタント教会もこれを認めなかったので、ヨーロッパにおいては少数派であるが、脱出して向かったアメリカ合衆国には文献が多い。[3]

分類[編集]

渡辺信夫による分類[2]。「福音的」といわれる急進派とそうでないものとを区別することは最小限必要である。」としている。

  1. ドイツ農民戦争 社会変革 トーマス・ミュンツァー
  2. アナバプテスト スイスにはじまるフッタライトメノナイト
  3. スピリチュアリズム 神秘主義のセクト
  4. 自由主義思想家 反三位一体であり、キリスト教でも宗教改革でもない。

後継者[編集]

アナバプテストの後継者がメノナイトアーミッシュフッタライトら、またはランドマーク派バプテスト教会である。

メノナイトらは歴史的平和教会と呼ばれ、絶対平和主義をとる。渡辺信夫はメノナイトを福音的と認めている[2]

系統図[編集]

他のプロテスタントの教派を含んだ系統図である。表の上がラディカル・リフォーメーション。ただし、アナバプテスト系でランドマーク・バプテストのようにプロテスタントを自称しないグループもある。[4]

プロテスタント諸教派(聖公会アナバプテストを含む)の系統概略


脚注[編集]

  1. ^ 倉塚平他編『宗教改革急進派ーラディカル・リフォメーションの思想と行動』にこの訳語があらわれ、カトリック教会の司祭高柳俊一神父もマクグラスの訳書でこの語を採用している
  2. ^ a b c 第4講ラディカリズムの離反と教会形成の意識1996・05・27渡辺信夫
  3. ^ Euan Cameron (1991). The European Reformation. New York: Oxford University Press. ISBN 0-19-873093-4.
  4. ^ 血まみれの道

参考文献[編集]

  • 『宗教改革の思想』アリスター・マクグラス高柳俊一教文館 2000年
  • 『宗教改革急進派ーラディカル・リフォメーションの思想と行動』「ラディカル・リフォメーション研究史(附・参考文献)」倉塚平編訳 ヨルダン社 1972年

外部リンク[編集]