メキシコの行政区画

メキシコの行政区画(メキシコのぎょうせいくかく)について以下に述べる。メキシコの地方行政区画は、メキシコ革命中の1917年に制定された憲法によって規定されている。

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メキシコの第一級行政区画は、32の(Estado)から構成される。かつて首都メキシコシティは「連邦区」(Distrito Federal)と呼ばれて州とは別の連邦直属の行政区画だったが、2016年に憲法が改正されて32番目の州になった[1]

メキシコは人口の偏りが激しいために州の大きさは多様であり、中央メキシコのトラスカラ州の大きさは滋賀県ほどだが、北のチワワ州本州より広い。各州は州知事を最高責任者とする州政府、州議会、州憲法および州法、裁判所を持つ。州知事や州議会議員は直接選挙によって選出される[2]

ムニシピオ[編集]

州の下にはムニシピオ(Municipio)が置かれる。ムニシピオは「郡」と呼ばれることもあるが[3]、日本の郡とは異なって基礎自治体であり、知事(Presidente)と議会を持つ。知事と議員は直接選挙によって選出される。

メキシコには全部で2,438のムニシピオが置かれている。州ごとのムニシピオの数はまちまちであり、バハ・カリフォルニア州には7つ[4]のムニシピオしかないのに対して、オアハカ州には570のムニシピオがある[5]

市町村[編集]

日本でいう市町村にあたるものは、まとめてロカリダード(Localidad)と呼ばれる。メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)の定義によれば、ロカリダードとは1軒以上の住居(人が住んでいなくてもよい)があり、法律または慣習によって名前が与えられているものをいう[6]

各ムニシピオには1つの筆頭市(Cabecera municipal)があり、ムニシピオの政府が置かれる。筆頭市はしばしばムニシピオと同じ名前を持つ。

その他の区画[編集]

州によってはムニシピオがいくつかに下位区分されることがある。

メキシコシティの行政区画[編集]

2016年以降、メキシコシティは16の管轄区域(Demarcaciones territoriales)に分けられ、それ以前の区(Delegaciones)に置き換わった。各管轄区域は従来より権限の強い区長(alcalde)と10名の議員(concejales)による区議会によって運営される[1]。管轄区域の行政単位はアルカルディア(alcaldía)と呼ばれる[7]。地区(colonia)は16の管轄区域をさらに細分したもので、住所の一部として記されるが[8]、これは日本の町丁と同様のもので、自治体ではない。

脚注[編集]

  1. ^ a b メキシコ政治情勢(1月)在メキシコ日本国大使館https://www.mx.emb-japan.go.jp/enero2016jp.html 
  2. ^ 総務省(2010) p.45
  3. ^ 総務省(2010) p.46
  4. ^ 2022年現在
  5. ^ 総務省(2010) pp.46-47
  6. ^ INEGI (2010) p.9
  7. ^ “Administración pública de la Ciudad de México”. Gaceta oficial de la Ciudad de México (Gobierno de la Ciudad de México) (71). (2018-12-13). https://semujeres.cdmx.gob.mx/storage/app/media/uploaded-files/Decreto_administracion_publica.pdf. "(Articulo 3 III) Alcaldías. Los órganos político administrativos de cada una de las demarcaciones territoriales;" 
  8. ^ Frank da Cruz, Frank's Compulsive Guide to Postal Addresses: México, Columbia University, http://www.columbia.edu/~fdc/postal/#mexico 

関連項目[編集]

参考文献[編集]