ムーンライト・クーラー

ムーンライト・クーラー(Moonlight Cooler)とは、冷たいタイプのロングドリンクに分類される、アップル・ブランデー[注釈 1]をベースとするカクテルである。

ムーンライトとは月光、クーラーとはカクテルのスタイルの1つを意味する語である。なお、後述の通り、ムーンライトとだけ言うと、全く別のカクテルになってしまうため、ムーンライト・クーラーのことを省略して、ムーンライトなどと言ってはならない。

標準的なレシピ[編集]

作り方[編集]

アップル・ブランデー、レモン・ジュース、砂糖をシェークして、を入れたタンブラー(容量300ml程度)に注ぐ。そこに適量の、よく冷やした炭酸水を注いでグラスを満たせば完成である。なお、レモン・ジュースは、その場でレモンを絞ったものを使用するのがベストであるが、市販のジュースを用いても良い。

備考[編集]

  • アップル・ブランデーとレモン・ジュースとの比率と、それぞれの分量は、好みによって増減することがある。
  • アップル・ブランデーは、カルヴァドスが指定されることもある。
  • グラスに果物を飾ることもある。

類似名のカクテル[編集]

ムーンライト(Moonlight)という名称のカクテルも存在する。気を付けなければならないのは、先述のムーンライト・クーラーとは全く性格の異なるカクテルである点。こちらは、ロングドリンクではなく、ショートドリンク(ショートカクテル)である。このカクテルは、1990年よりもずっと前からロンドンのサボイ・ホテルのメニューに載っているという[1]

レシピ[編集]

作り方[編集]

ドライ・ジン、白ワイン、グレープフルーツ・ジュース、キルシュワッサーをシェークして、大型のカクテル・グラス(容量90ml程度)に注ぐ。最後に、レモンの果皮より精油を飛ばしかけ、その果皮をグラスの中に入れれば完成である。なお、グレープフルーツ・ジュースは、その場でグレープフルーツを絞ったものを使用するのがベストであるが、市販のジュースを用いても良い。

備考[編集]

香り付けのために精油を飛ばした柑橘類の果皮をグラスに入れることは通常ないが、このムーンライトというカクテルは例外である。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. ^ なお、アップル・ブランデーは、カクテル関連書籍において、他にカルヴァドス(カルバドス)やアップル・ジャックと書かれることもあるので、ここで簡単に整理し、さらに本稿での定義を明確にしておく。まず、カルヴァドスについて。アップル・ブランデーは各地で作られているが、その内、特定の地域で作られたものをカルヴァドスと言う。したがって、カルヴァドスもアップル・ブランデーの範疇に入る。よって、本稿ではカルヴァドスはアップル・ブランデーに含まれるものとして扱うので、アップル・ブランデーのところをカルヴァドスと読み替える分には問題はない。しかし逆にアップル・ブランデーで代用が可能であると断りが無い限り、カルヴァドスをアップル・ブランデーとは読み替えられないことに注意。次に、アップル・ジャックについて。イギリスでは、アップル・ブランデーとアップル・ジャックは、良質なものをアップル・ブランデー(基本的にカルヴァドスもこちらに入る)、そうでないものをアップル・ジャックと呼んで区別していることからも判るように、全く同じ物を指さないこともあるので注意が必要である。ただし、アップル・ブランデーのことを指して、アップル・ジャックと言うこともあることと、日本では特に区別されないことが多いので、ここではリンゴから作ったブランデーの総称としてアップル・ブランデーという語を用いている。よって、アップル・ブランデー = アップル・ジャックとして扱うため、以降、本稿では、アップル・ジャックという語は使用しない。

出典[編集]

  1. ^ オキ・シロー 『カクテル・コレクション』 p.101 ナツメ社 1990年3月24日発行 ISBN 4-8163-0857-1

参考文献[編集]

  • 片方 善治 『洋酒入門』 社会思想社 1959年12月15日発行
  • 浜田 晶吾 『すぐできるカクテル505種』 有紀書房 1991年6月20日発行 ISBN 4-638-00531-4
  • オキ・シロー 『カクテル・コレクション』 ナツメ社 1990年3月24日発行 ISBN 4-8163-0857-1