マーゴットディド

マーゴットディド
欧字表記 Margot Did[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2008年3月17日(16歳)[1]
Exceed And Excel[1]
Special Dancer[1]
母の父 Shareef Dancer[1]
生国 アイルランドの旗 アイルランド[1]
生産者 Nicky Hartery[1]
馬主 Peter Phillip & Tim Redman
調教師 Michael Bell
競走成績
生涯成績 19戦5勝[1]
獲得賞金 £263,183
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マーゴットディド(欧字名:Margot Did2008年3月17日 - )は、アイルランド共和国生産・イギリス調教の競走馬。主な勝ち鞍は2011年のナンソープステークス

引退後は繁殖牝馬となり、2024年の皐月賞ジャスティンミラノら3頭の重賞馬を生産している。

デビュー前[編集]

2008年、アイルランドのニッキー・ハートレイによって生産された。1歳となった2009年の10月、ゴフスオープンセールにてマイケル・ハルフォードが1万6000ユーロで落札[2]。翌年4月、今度はタタソールズギニーブリーズアップセールに上場され、調教師のマイケル・ベルが1万ギニーで落札した[3]。マーゴットディドは最終的にピーター・フィリップとティム・レッドマンの共同所有となり、サフォーク州ニューマーケットにあるフィッツロイ・ハウスヤードでベルが調教した。

競走馬時代[編集]

2010年(2歳)[編集]

5月22日のメイドン競走でデビューし、2馬身差の勝利。12日後の条件戦でも勝利した[4]。6月18日、初の重賞挑戦としてロイヤルアスコット開催レースの一つ、G3・アルバニーステークス英語版に出走。22頭立てでスタートしたレースは、最後の1ハロンに差し掛かったところで先頭に立ったが、ゴール直前でメモリーにつかまり、アタマ差の2着に惜敗した。7月、同じコースと距離で行われるプリンセスマーガレットステークス英語版に出走。アルバニーステークスと同様の展開で終盤先頭に立ったが、今度はソラヤに差し切られ、半馬身差の2着に敗れた。8月、ヨーク競馬場で行われたロウザーステークス英語版に出走。後方から力強い伸び脚を見せ、フーレイ英語版から4分の3馬身差の2着に入った[5]。9月2日に出走したリステッド競走ディックプールフィリーステークス英語版は3頭がもつれた大接戦となり、写真判定の末、ハナ+クビ差の3着に敗れた。年内最終戦のG1・チェヴァリーパークステークスは5着。

2011年(3歳)[編集]

4月27日にアスコット競馬場で行われたリステッド競走・パビリオンステークスより始動。1番人気に支持されたが、パーフェクトトリビュートとアニーダに次ぐ3着に終わった。これまでは6ハロン以上のレースを走ってきたが、5月12日にヨーク競馬場で行われたレースから距離を短縮。6月11日にサンダウン競馬場で行われたリステッド競走のスカリーステークスでは、ラスト2ハロンで先頭に立つと後続をそのまま引き離し、2着ディンクムダイアモンドに5馬身差をつけ圧勝した[6]

サンダウンでの勝利から1週間後、スコットランド・エア競馬場英語版で行われるランドオバーンズフィリーズステークスに出走。6頭立ての1番人気に支持された。一番前を走るフェイバリットガールと並んでレースをし、残り1ハロンで先頭に立つと、セレリナの追撃をクビ差で退け勝利した[7]

8月19日、ヨーク競馬場開催のG1・ナンソープステークスに出走。ほかの出走メンバーには1番人気のスチュワーズカップ優勝馬フーフイットのほか、プロヒビットキングズスタンドステークス優勝)、キングスゲイトネイティヴ(2007年に同レース優勝)が含まれていた。レースは2つのグループに分かれ、マーゴットディッドはスタンド側(騎手から見てコース右側)で先頭のハミッシュマクゴナガルを追った。残り1ハロンでハミッシュマクゴナガルを交わして先頭に立つと、4分の3馬身差をつけて優勝[8]。鞍上のヘイリー・ターナー騎手にとっては、ジュライカップドリームアヘッドで制して以来のG1・2勝目となった[9]

8月31日にバース競馬場で開催されたレースでターナーが落馬事故により足首を骨折[10]したため、10月2日にロンシャン競馬場で行われたアベイ・ド・ロンシャン賞ではジェイミー・スペンサーが代役を務めた。序盤は先頭集団につけるも、ラスト400メートルで勢いが衰え、15頭立ての最下位に終わった。

2012年(4歳)[編集]

4歳シーズンも現役を続行したが、ベストパフォーマンスとは程遠い成績に終わった。シーズン初戦のドバイ・メイダンスプリントは8着、アルクォズスプリントは10着に敗れた。ヨーロッパに戻ると調子はさらに悪化し、パレスハウスステークスでは16頭中最下位、キングズスタンドステークスは21着、ヨークで行われたサマーステークスではブービーの10着に大敗した[11]

その後間もなく、マーゴットディドはクールモアスタッドの関係者に売却され、現役を引退した[12]

繁殖牝馬時代[編集]

アイルランド・イギリスで最初の2頭を生産した後、フランケルとの子を受胎した状態で日本に輸入、ノーザンファームで繁殖生活を送っている。

繁殖成績[編集]

馬名 生年 性別 毛色 馬主 調教師 成績 出典
1番仔 Mission Impassible 2015年 栗毛 Galileo Al Attiyah, Mohamed Fahad and Haras d'Etreham 米国・Rodolphe Brisset 愛国産・11戦4勝
サンドリンガム賞(仏G2)優勝
[13][14]
2番仔 *マジックアティテュード
Magic Attitude
2017年 鹿毛 Lael Stables 米国・Arnaud Delacour 英国産・13戦4勝(繁殖)
ベルモントオークス(米G1)など重賞3勝
[15][16]
3番仔 ピエトラサンタ 2018年 鹿毛 Frankel 金子真人ホールディングス (株) 栗東友道康夫 15戦2勝(現役) [17]
4番仔 インザーギ 2019年 鹿毛 ハーツクライ 吉田和美 美浦黒岩陽一 2戦0勝(抹消) [18]
5番仔 ジャスティンミラノ 2021年 黒鹿毛 キズナ 三木正浩 栗東・友道康夫 3戦3勝(現役)
皐月賞(GI)、共同通信杯(GIII)優勝
[19]
  • 2024年4月14日現在

血統表[編集]

マーゴットディド血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 デインヒル系

Exceed And Excel
鹿毛 2000
父の父
*デインヒル
鹿毛 1986
Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Razyana His Majesty
Spring Adieu
父の母
Patrona
栗毛 1994
Lomond Northern Dancer
My Charmer
Gladiolus Watch Your Step
Back Britches

Special Dancer
鹿毛 1997
Shareef Dancer
鹿毛 1980
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Sweet Alliance Sir Ivor
Mrs. Peterkin
母の母
Caraniya
黒鹿毛 1986
Darshaan Shirley Heights
Delsy
Callianire Sir Gaylord
Passionata
母系(F-No.) (FN:13-c) [§ 2]
5代内の近親交配 Northern Dancer(CAN):M3×S4×S4、Natalma(USA):M4×S5×S5×S5、Sir Gaylord(USA):M4×M5 [§ 3]
出典
  1. ^ [20], [21]
  2. ^ [20]
  3. ^ [20], [21]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k マーゴットディド(IRE)”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2024年4月15日閲覧。
  2. ^ Goffs Open Yearling Sale”. Racing Post. 2015年9月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月16日閲覧。
  3. ^ Tattersalls Guineas Breeze-Up 2010”. Racing Post. 2015年9月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月16日閲覧。
  4. ^ EBF Hotpoint Novice Stakes”. Racing Post (2010年6月1日). 2024年4月16日閲覧。
  5. ^ Lowther Stakes result”. Racing Post (2010年8月19日). 2024年4月16日閲覧。
  6. ^ Hotspur (J A McGrath) (2011年8月19日). “Hayley Turner grabs second Group One on Margot Did in Coolmore Nunthorpe”. Daily Telegraph. 2024年4月16日閲覧。
  7. ^ Land O'Burns Fillies' Stakes result”. Racing Post (2011年6月18日). 2024年4月16日閲覧。
  8. ^ Nunthorpe Stakes result”. Racing Post (2011年8月19日). 2024年4月17日閲覧。
  9. ^ BBC Sport – Hayley Turner wins Nunthorpe Stakes on Margot Did”. BBC Sport (2011年8月19日). 2024年4月17日閲覧。
  10. ^ Lewis Porteous (2011年9月1日). “Hayley Turner upbeat despite ankle injury”. Racing Post. 2015年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月17日閲覧。
  11. ^ Summer Stakes result”. Racing Post (2012年7月13日). 2024年4月17日閲覧。
  12. ^ Nancy Sexton (2012年8月24日). “Margot Did sold as broodmare prospect”. Racing Post. 2012年8月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月16日閲覧。
  13. ^ Mission Impassible(IRE)”. JBISサーチ. 2024年4月15日閲覧。
  14. ^ Mission Impassible(IRE)”. Horse Racing Nation. 2024年4月15日閲覧。
  15. ^ マジックアティテュード(GB)”. JBISサーチ. 2024年4月15日閲覧。
  16. ^ Magic Attitude(GB)”. Horse Racing Nation. 2024年4月15日閲覧。
  17. ^ ピエトラサンタ”. JBISサーチ. 2024年4月15日閲覧。
  18. ^ インザーギ”. JBISサーチ. 2024年4月15日閲覧。
  19. ^ ジャスティンミラノ”. JBISサーチ. 2024年4月15日閲覧。
  20. ^ a b c 血統情報:5代血統表|マーゴットディド(IRE)”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2024年4月16日閲覧。
  21. ^ a b マーゴットディドの血統表”. netkeiba.com. 2024年4月16日閲覧。

外部リンク[編集]