マルジャン・サトラピ

マルジャン・サトラピ(2008年
ペルセポリスのプレミア試写会におけるマルジャン・サトラピ

マルジャン・サトラピペルシア語: مرجان ساتراپی‎, ラテン文字転写: Marjane Satrapi), 1969年11月26日 - )は、イラン北部、ラシュト出身のフランス漫画家イラストレーター

経歴[編集]

マルジャン・サトラピは、カージャール朝の流れを汲む(マルジャンの曽祖父がカージャール朝最後のシャーであるアフマド・シャーである)進歩的な上流階級の家庭に育ち、少女時代に当時のパーレビ国王の失脚とイラン革命、そしてイラン・イラク戦争を、技術者の父らと共に市民の側から目撃した。

1983年、両親の意向によってオーストリアの首都ウィーンフランス語学校に留学。しかし、「自由の落とし穴」に陥り、自堕落な生活と故郷から切り離されたことによる不安のため、イランに帰国し、大学で美術を学ぶ。在学中にレザーという青年と結婚するが間もなく離婚。1994年に渡仏し、ストラスブールの美術学校でイラストレーションを学ぶ。

その後パリに移住。そこで出会ったバンド・デシネの作家、ダビッド・ベー(後述『ペルセポリス』第1巻で序文を書いている)と出会い、本格的に漫画家として活動を始めた。彼女の特に初期の作品はダビッド・ベーのものに似たスタイルで描かれている。

サトラピはイランでの幼少期とヨーロッパでの少女時代を描いた自伝的作品『ペルセポリス (Persepolis)』で世界的な名声を得た。『ペルセポリス』第2巻は2002年のアングレーム国際漫画祭で最優秀脚本賞を受賞している。この作品は2007年にソニー・ピクチャーズ出資の元、サトラピとフランスのアニメーター、ヴァンサン・パロノー(Vincent Paronnaud)との共同監督で長編アニメーション映画が製作され、プレミア上映となったカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した。

サトラピはさらに2005年に『Poulet aux prunes(鶏のプラム煮)』でアングレーム国際漫画祭の最高賞である最優秀作品賞を受賞している。彼女はアメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズに、不定期でイラスト入りのコラムを執筆中である。

日本での出版[編集]

『ペルセポリス(Persepolis)』は、本国フランスでは第4巻まで刊行されているが、日本では英語版と同様、フランス語版の2巻を1冊にまとめたものとして、全2巻がバジリコから出版されている。また日本では、サトラピと親戚の女性達が結婚観、セックスについて語る茶飲み話を描いた『刺繍』も明石書店から出版されている。

映像化された作品[編集]

関連人物[編集]

西村ツチカ
サトラピの大ファンで、著書『なかよし団の冒険』 に収録されている「ヒロジが泣いても笑っても」はサトラピの『ペルセポリス』を真似して描いたと述べている[1]

脚注[編集]

外部リンク[編集]