ポール・ポグバ

ポール・ポグバ
マンチェスター・ユナイテッドでのポグバ(2021年)
名前
本名 ポール・ラビイレ・ポグバ
Paul Labile Pogba
ラテン文字 Paul Pogba
基本情報
国籍 フランスの旗 フランス
ギニアの旗 ギニア
生年月日 (1993-03-15) 1993年3月15日(31歳)
出身地 ラニー=シュル=マルヌ
身長 191cm[1]
体重 84kg[1]
選手情報
在籍チーム イタリアの旗 ユヴェントス
ポジション MF
背番号 10
利き足 右足
ユース
1999-2006 フランスの旗 ロワシー=アン=ブリ
2006-2007 フランスの旗 トルシー
2007-2009 フランスの旗 ル・アーヴル
2009-2011 イングランドの旗 マンチェスター・ユナイテッド
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2011-2012 イングランドの旗 マンチェスター・ユナイテッド 3 (0)
2012-2016 イタリアの旗 ユヴェントス 124 (28)
2016-2022 イングランドの旗 マンチェスター・ユナイテッド 154 (29)
2022- イタリアの旗 ユヴェントス 10 (0)
代表歴2
2008-2009  U-16フランス 17 (1)
2010  U-17フランス 10 (2)
2010-2011  U-18フランス 6 (1)
2011-2012  U-19フランス 12 (4)
2012-2013  U-20フランス 13 (3)
2013-  フランス 91 (11)
1. 国内リーグ戦に限る。2023年6月26日現在。
2. 2022年03月29日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

ポール・ポグバ(Paul Pogba、1993年3月15日 - )は、フランスセーヌ=エ=マルヌ県出身のサッカー選手フランス代表セリエAユヴェントスFC所属。ポジションはミッドフィールダー

経歴[編集]

クラブ[編集]

マンチェスター・ユナイテッド[編集]

ギニア系の両親をルーツに持つ。2009年にマンチェスター・ユナイテッドの下部組織に入団し、2011年にトップチームに昇格した。9月19日、フットボールリーグカップリーズ・ユナイテッド戦でプロデビューを果たした。2012年1月31日のストーク・シティ戦でプレミアリーグデビュー。

ユヴェントス[編集]

2012年8月3日、出場機会を求めてフリートランスファーでユヴェントスへ移籍。10月20日のナポリ戦で移籍後初ゴールならびにプロ初ゴールを決めた。2012-13シーズンは27試合に出場し5ゴールを決めてユヴェントスの連覇に貢献した。

2013-14シーズンはシーズン開幕直後のクラウディオ・マルキジオの負傷によってスタメンを確保。マルキジオの復帰後もレギュラーとして活躍し35試合に出場して7ゴールを挙げるなどチームのセリエA三連覇に貢献した。2015-16シーズンから背番号を6番から10番に変更することを、クラブ公式Twitter上で発表した[2]。10番はミシェル・プラティニロベルト・バッジョアレッサンドロ・デル・ピエロカルロス・テベスといった名選手が着用していた番号である。

マンチェスター・ユナイテッドへの復帰[編集]

2016年8月7日、古巣マンチェスター・ユナイテッドのメディカルチェックを行うことが発表された。そして、8月8日に5年契約で完全移籍することが発表された。移籍金はユヴェントス側の発表によると、当時のサッカー界における移籍市場史上最高額の1億500万ユーロにボーナス500万ユーロの1億1000万ユーロ。

UEFAヨーロッパリーグ 2016-17決勝、アヤックス・アムステルダム戦ではゴールを決め、チームの優勝に貢献した[3]。2018年4月のマンチェスター・ダービーでは、試合途中まで2-0とリードされマンチェスター・シティの優勝にリーチがかかっているなか、2得点の活躍で、3-2と勝利、目の前でのシティの優勝を阻止した。

2018-19シーズン、ジョゼ・モウリーニョ監督体制3年目となったこのシーズンは序盤から確執が噂され、腕章もはく奪。パフォーマンスも昨シーズンとは程遠いものとなっていた。絶不調の最中にあった2018年末にモウリーニョ監督が解任され、後任にオーレ・グンナー・スールシャール監督が就任すると、チームは指揮官交代後の7試合で全勝。ポグバもその内の6試合にフル出場して5ゴール4アシストと躍動し復調を果たした。しかし、後にスールシャールとも確執を生んでしまい、2019-20シーズン開幕前には退団を希望していたと伝えられ、レアル・マドリードへの移籍やユヴェントス復帰がメディアによって取り沙汰されていた[4]。ポグバは2018-19シーズンをリーグ成績35試合13得点9アシストで終えている[5]

2019-20シーズン。2019年9月25日のロッチデールAFC戦ではキャプテンマークとPKキッカーを剥奪された[6]。その後、足首の負傷により戦列を離れる[7]。12月22日、プレミアリーグ第18節ワトフォードFC戦にて途中出場し、復帰を果たした。

2020-21シーズン

2021-22シーズン

2022年6月1日、ユナイテッドと2度目の退団が発表された[8]

ユヴェントスへの復帰[編集]

2022年7月11日、古巣であるユヴェントスへ、再びフリートランスファーで移籍することが発表された[9]。契約期間は2026年までの4年間。

加入直後から長らく負傷離脱が続いていたが、2023年3月1日のトリノ戦で復帰を果たした。

2023-24シーズン開幕戦、出場機会はなかったが、試合後に無作為で行われたドーピング検査の対象となり、陽性反応が示された。ポグバは「友人の医師から処方されたサプリメントを摂取したためのもので、故意ではない」と主張しているが[10]、暫定的に出場停止処分となり、後に別の検体も陽性が確認された。違反が確定すれば、最長で4年の出場停止処分が科せられると報じられている[11]。2024年2月29日、反ドーピング裁決機関は4年間の公式戦出場停止処分を決定。ポグバはスポーツ仲裁裁判所に提訴するとみられている[12]

代表[編集]

フランス代表でポグバ (2018年)

フランス代表として、UEFA U-17欧州選手権2010に出場した。2013年3月22日に行われた2014 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選ジョージアとの試合でラファエル・ヴァランと共にA代表デビューを果たし、先発フル出場した[13]2013 FIFA U-20ワールドカップでは主将を務め、優勝に貢献。大会最優秀選手にも選ばれた。

2014 FIFAワールドカップ決勝トーナメント1回戦ナイジェリア戦で先制点を決めた。チームはベスト8に終わったが、大会の最優秀若手選手賞を受賞した。

2016年、UEFA EURO 2016では準々決勝アイスランド戦でゴールを決めた。チームは決勝でポルトガルに敗れ準優勝。

2018 FIFAワールドカップではグループステージのデンマーク戦を除く全ての試合に出場。クロアチアとの決勝戦ではフランスの3点目となるミドルシュートを決め、フランスの優勝に大きく貢献した。また、大会参加選手の中でデュエルでの勝数などは第1位であった[14]

2021年、UEFA EURO 2020では決勝トーナメント1回戦のスイス戦でミドルシュートによる得点を挙げたが試合に敗れた[15]

プレースタイル・評価[編集]

主にボランチインサイドハーフとしてプレーする。恵まれた体格を生かして相手の足が届かない位置にボールを置くなど、ボールキープ力に優れる。相手に囲まれた際は、テクニカルなターンやリフティングによって相手のマークを外すことができる。また、正確かつ強烈なミドルシュートも大きな魅力である。チャンスメイクにも定評があり、とりわけ長いパスの精度は非常に高いため、正確なサイドチェンジや一気にゴール前でのチャンスを作ることができる。元ブラジル代表ロナウジーニョは「才能に溢れた歴史を作ることができる選手だね」とその才能を称賛した[16]

試合によって好不調の波があり、MOM級の働きをすることもあれば、敗戦の原因だと指摘されてしまうこともあり、才能に比して高い評価が得られない一因となっている[17]

エピソード[編集]

  • 実兄のフロランタン・ポグバマティアス・ポグバもプロサッカー選手で、二人は祖国のギニア代表を選択している。しかし、後述の事件によりマティアスとの関係は悪化している。
  • 髪型が特徴的で、2016年2月にはポケモンの「モンスターボール」をイメージしたヘアスタイルを自身のインスタグラムで披露した[18]ヒョウ柄を模した剃り込みを入れていた時はマッシミリアーノ・アッレグリ監督から「そもそも私にはそんなことをする十分な毛がない。このような少年は、7つか8つの美容院を行ったり来たりするのだろう。私の日常生活には合わないよ」と自虐を交えて語られた[19]。2018年3月にはドラゴンボール超サイヤ人をイメージした青と金の髪色にした[20]
  • 趣味としてバスケも嗜んでいる[21]
  • イスラム教徒であり[22]メッカへの巡礼にも参加したことがある[23]
  • 2017年5月、ESPN世界で最も有名なアスリート100人を発表し、40位に選出された。サッカー選手としては14位[24]
  • 2022年3月、フランス代表の召集を受けてパリに滞在中に参加した友人宅でのパーティーに武装した集団が押し入り、ポグバは一時誘拐され、金銭を脅し取られる事件が発生した。その後もこの犯罪グループから恐喝を受けており、同年9月に主犯格として、かつて同居していたポグバの幼馴染(この幼馴染はポグバから現金を盗んだ過去があった)と関与の疑いで兄マティアスを含む知人5人が逮捕された。マティアスは関与を否定しているが、その後もポグバと共にパーティーに参加、一緒に誘拐された友人も共犯者として逮捕されている[25]

個人成績[編集]

クラブ シーズン リーグ リーグ戦 カップ戦 リーグ杯 国際大会 その他 合計
出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点
マンチェスター・ユナイテッド 2010-11 プレミアリーグ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
2011-12 3 0 0 0 3 0 1 0 0 0 7 0
通算 3 0 0 0 3 0 1 0 0 0 7 0
ユヴェントス 2012-13 セリエA 27 5 2 0 - 8 0 0 0 37 5
2013-14 36 7 0 0 - 14 1 1 1 51 9
2014-15 26 8 4 1 - 10 1 1 0 41 10
2015-16 35 8 5 1 - 8 1 1 0 49 10
通算 124 28 11 2 - 40 3 3 1 178 34
マンチェスター・ユナイテッド 2016-17 プレミアリーグ 30 5 2 0 4 1 15 3 0 0 51 9
2017-18 27 6 3 0 1 0 5 0 1 0 37 6
2018-19 35 13 3 1 0 0 9 2 0 0 47 16
2019-20 16 1 2 0 1 0 3 0 0 0 22 1
2020-21 26 3 2 0 3 1 11 2 0 0 42 6
通算 134 28 12 1 9 2 43 7 1 0 199 38
総通算 261 56 23 3 12 2 84 10 4 1 384 72

代表[編集]

出場大会[編集]

試合数[編集]


フランス代表国際Aマッチ
出場得点
2013 7 1
2014 15 4
2015 5 0
2016 17 3
2017 5 0
2018 15 3
2019 5 0
2020 6 0
2021 14 1
2022 2 0
通算 91 11

代表での得点[編集]

# 開催日 開催地 対戦国 スコア 結果 大会
1 2013年9月10日 ベラルーシの旗ホメリセントラル・スタジアム ベラルーシの旗 ベラルーシ 2–4 2–4 2014 FIFAワールドカップ予選
2 2014年5月27日 フランスの旗サン=ドニスタッド・ド・フランス ノルウェーの旗 ノルウェー 1–0 4–0 親善試合
3 2014年6月30日 ブラジルの旗ブラジリアナシオナル ナイジェリアの旗 ナイジェリア 1–0 2–0 2014 FIFAワールドカップ
4 2014年9月7日 セルビアの旗ベオグラードスタディオン・ツルヴェナ・ズヴェズダ セルビアの旗 セルビア 0–1 1–1 親善試合
5 2014年10月11日 フランスの旗サン=ドニ、スタッド・ド・フランス ポルトガルの旗 ポルトガル 2–0 2–1
6 2016年7月3日 アイスランドの旗 アイスランド 2–0 5–2 UEFA EURO 2016
7 2016年10月11日 オランダの旗アムステルダムアムステルダム・アレナ オランダの旗 オランダ 0–1 0–1 2018 FIFAワールドカップ予選
8 2016年11月11日 フランスの旗サン=ドニ、スタッド・ド・フランス スウェーデンの旗 スウェーデン 1–1 2–1
9 2018年3月27日 ロシアの旗サンクトペテルブルクガスプロム・アリーナ ロシアの旗 ロシア 0–2 1–3 親善試合
10 2018年7月15日 ロシアの旗 モスクワルジニキ・スタジアム クロアチアの旗 クロアチア 3-1 4-2 2018 FIFAワールドカップ・決勝
11 2021年6月28日 ブカレスト、スタディオヌル・ナツィオナル スイス 3-1 3-3 UEFA EURO 2020

タイトル[編集]

クラブ[編集]

ユヴェントス時代
ユヴェントス
マンチェスター・ユナイテッド

代表[編集]

U-20フランス代表
フランス代表

個人[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b ポール・ポグバ”. サッカーキング. 2019年2月10日閲覧。
  2. ^ ユーヴェMFポグバが背番号を「10」に変更…過去にはデル・ピエロらが着用soccerking 2015年8月6日
  3. ^ United are Europa League Winners”. manutd.com (2017年5月25日). 2017年5月25日閲覧。
  4. ^ ポグバ、マンU退団は決定的か…レアル移籍よりもユーヴェ復帰を希望 サッカーキング 2019年6月19日
  5. ^ 世界のトッププレイヤー能力値ランキング1位~5位。Fチャン編集部が選定、メッシが1位ではなく…?(2019/20シーズン版) フットボールチャンネル 2019年10月2日
  6. ^ ポグバは今冬こそ移籍決断…スールシャール監督と確執かexcite news 2019年9月27日
  7. ^ 12月まで離脱のポグバ代役をスールシャールが指名「フレッジは重要な戦力になる」 Goal.com 2019年10月30日
  8. ^ ポグバがユナイテッドでの2度目のキャリアに幕”. マンチェスター・ユナイテッド (2022年6月1日). 2022年6月2日閲覧。
  9. ^ ポグバ、7季ぶりのユーヴェ復帰が決定! マンUから“2度目”のフリー移籍…4年契約” (2022年7月11日). 2022年7月11閲覧。
  10. ^ "ドーピング違反のユベントスMFポグバ、テストステロン含有のサプリメントを知らずに摂取か". 日刊スポーツ. 2023年9月14日. 2023年11月28日閲覧
  11. ^ "ドーピング疑惑のポグバ、B検体からも陽性反応…違反確定なら最長4年の出場停止処分". SOCCERKING. 2023年10月7日. 2023年11月28日閲覧
  12. ^ "ドーピング違反で4年間の出場停止…ポグバは「胸が張り裂けそう」と心中激白、CASに提訴へ". SOCCERKING. 2024年3月1日. 2024年3月3日閲覧
  13. ^ ポグバ&ヴァランがデビュー フランス、快勝で単独首位に”. Goal.com (2013年3月23日). 2013年3月23日閲覧。
  14. ^ カンテ、ポグバ、マテュイディから“MF陣全入れ替え”…… 王者フランスはそれでもW杯優勝候補なのか”. ワールド. 2022年11月4日閲覧。
  15. ^ EURO衝撃敗退も…ベンゼマとポグバの超ゴールが伝説級にすごかった”. コリー (2021年6月29日). 2021年7月15日閲覧。
  16. ^ ロナウジーニョ氏がポグバのバロンドールに太鼓判「歴史を作れる選手」…去就についても言及 | Goal.com”. www.goal.com. 2021年3月8日閲覧。
  17. ^ 「もう少し頭を使え」スコールズ氏、一貫性に欠ける後輩ポグバに苦言 | Goal.com”. www.goal.com. 2021年3月8日閲覧。
  18. ^ ポグバ、新たな髪型はポケモンの「モンスターボール」…SNSで披露soccerking 2016年2月10日
  19. ^ アッレグリ監督、ポグバのヘアスタイルに自虐「私にはそんな毛が…」 フットボールチャンネル 2016年1月26日
  20. ^ ポグバ、髪色をなんと「超サイヤ人」にする!ドラゴンボール風に Qoly 2018年3月20日
  21. ^ “「バスケは禁止!」ハムストリング負傷のポグバが趣味を禁じられる”. 超ワールドサッカー. (2017年10月5日). https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=289695 2020年2月26日閲覧。 
  22. ^ “イスラム教徒でもあるポグバが妻の誕生日を盛大に祝福「神の心のままに」”. 超ワールドサッカー. (2021年11月17日). https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=407149 2022年6月16日閲覧。 
  23. ^ “ポグバ、イスラム教の聖地メッカ巡礼 「人生で見た最も美しいもの」と白衣姿で報告”. football-zone. (2017年5月29日). https://www.football-zone.net/archives/62417 2022年6月16日閲覧。 
  24. ^ ESPN World Fame 100 ESPN.com 2017年6月10日閲覧。
  25. ^ “ポール・ポグバの誘拐事件「一緒に被害を受けた友人も共犯者だった」と衝撃の報道”. Qoly. (2024年1月8日). https://qoly.jp/2024/01/08/k44w2-cxsd1-kgn-1 2024年1月8日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]