八戸市多賀多目的運動場

八戸市多賀多目的運動場
天然芝球技場・メインスタンド全景 地図
所在地
青森県八戸市大字市川町字市川後55番地1[1]
座標 北緯40度35分25.7秒 東経141度27分22.0秒 / 北緯40.590472度 東経141.456111度 / 40.590472; 141.456111座標: 北緯40度35分25.7秒 東経141度27分22.0秒 / 北緯40.590472度 東経141.456111度 / 40.590472; 141.456111
開園 2016年
運営者 八戸市
設備・遊具 天然芝球技場
人工芝球技場
多目的広場
駐車場 1,494台[1]
アクセス #アクセスを参照
公式サイト taga-playground.com ウィキデータを編集
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八戸市多賀多目的運動場(はちのへしたがたもくてきうんどうじょう)は、青森県八戸市にある、球技場を主体とした多目的施設[2]

建設の経緯[編集]

2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)では、八戸市においても大きな津波の被害を受けた。このことを踏まえ、八戸市は2013年(平成25年)9月、津波による住家被害が市内で最も大きかった八戸市市川町多賀地区の活力を創出するため[3]、また最大クラスの津波から逃げ遅れた避難者が被災を免れることを目的として[3]、多目的運動場と日常機能を有する一時避難施設である津波避難複合施設と一体的に整備することを発表し、基本構想を公表した。具体的には、県道八戸百石線沿い、奥入瀬川と五戸川に挟まれたエリア[4]に、「主としてサッカー競技施設として整備」されるというもので[5]、多目的運動場の管理等と一体的に津波避難複合施設(コミュニティセンター、多目的スペースなどを有する施設)を整備する、というものである[5]

2013年(平成25年)10月から基本設計の公募型プロポーザルを実施し、2014年(平成26年)3月に基本設計を策定。翌2014年(平成26年)3月には実施設計を実施した。基本設計で明らかにされていた多目的運動場の仕様[6]では、八戸に本拠地を置くヴァンラーレ八戸J3リーグ加盟と日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)公式戦の開催を念頭に、『J3スタジアム要件』を満たすスタジアムとして整備することが明記されている。

その後、実施設計と用地の買収を行い、2014年度に造成に着手、2015年から本工事に着手した。2016年6月末の整備進捗率は85%となっていた[7]。2016年10月2日にオープニングセレモニーとこけら落としとなる第18回日本フットボールリーグ(JFL) 2ndステージ第11節・ヴァンラーレ八戸vsMIOびわこ滋賀が行われ、ヴァンラーレ八戸のクラブ史上最多となる5,028人の観衆を集めた[8][9]

施設概要[編集]

八戸市多賀多目的運動場
天然芝球技場
プライフーズスタジアム
スタジアム風景
八戸市多賀多目的運動場の位置(青森県内)
八戸市多賀多目的運動場
施設情報
所在地 青森県八戸市大字市川町字市川後55-1
起工 2015年
開場 2016年10月2日
所有者 八戸市
グラウンド 天然芝(球技場)
人工芝(多目的グラウンド[10]
ピッチサイズ 125m×84.5m(球技場)
123m×83m(多目的グラウンド[10]
照明 1,500Lx(球技場)/ 200Lx(多目的グラウンド[10]
大型映像装置 有(球技場[10]
建設費 33億6千万円
設計者 昭和設計
建設者 日本道路・地代所建設・曽我産業JV
旧称
ダイハツスタジアム
(命名権・2016年10月1日 - 2019年12月31日)
使用チーム、大会
ヴァンラーレ八戸
収容人員
5,200人(球技場[10]
1,700人(多目的グラウンド[10]
アクセス
#アクセスを参照。

施設の主な数値は基本設計[6]、および実施設計に基づく[11]

プライフーズスタジアム(天然芝球技場)
  • 日本サッカー協会(JFA)基準を満たす天然芝フィールド(フィールドサイズ125m×84.5m、ピッチサイズ105m×68m)。
  • メインスタンドは1層式で全席個席(収容人員1000人程度)、サイドスタンド・バックスタンドは芝生席。全体での収容人員は5,200人[10]。屋根は設けられていない。
  • 大型映像装置(三菱電機製オーロラビジョン)が設置されている。
  • 当初、照明は整備されていなかったが、将来の設置を見越してそのためのスペースが確保されていた。スタジアムのJ3開催基準を満たすべく2022年6月までの設置が求められていることから、八戸市が照明設備を設置する方針を固めた事が2020年3月3日に報道された[12]。同年6月10日に八戸市は施工業者と工事に関する仮契約を締結、市議会の承認を得て同月より工事に着手[13][14]。2021年3月に設置工事が完了、4月より供用開始。ヴァンラーレのホームゲームにおいては、同年7月10日のJ3リーグ第15節・カマタマーレ讃岐戦が初のナイター開催となった[15][16]
  • 開場時から施設命名権が導入されている。
    • 2019年までは青森市に本社を置くダイハツ工業系のカーディーラー・青森ダイハツモータースが取得し「ダイハツスタジアム」(略称「ダイスタ」)の呼称を用いていた。契約料は年額206万円(消費税及び地方消費税別)で、契約期間は2016年10月1日から2019年12月31日まで[2][17]
    • 2020年からは、八戸市に本社を置く食品メーカーのプライフーズが命名権を取得し「プライフーズスタジアム」(通称「プラスタ」)の呼称が用いられている。契約金額は年額350万円(消費税及び地方消費税別)で、契約期間は2020年1月1日から2024年12月31日まで[18][19]
  • 当球技場の開場後、ヴァンラーレ八戸は全てのホームゲームやトレーニングマッチを当地で開催しているほか、2018年シーズンは同じ青森県を本拠地とするラインメール青森FCもホームゲームの一部を当球技場にて開催。同年9月24日には青森県内では初めてとなるなでしこリーグ1部の公式戦・マイナビベガルタ仙台レディース - INAC神戸レオネッサ戦を開催した[20]。2020年9月16日には、当球技場で初のサッカー天皇杯が開催され、ラインメール青森(青森県代表)と札幌大学サッカー部(北海道代表)が1回戦を競った[21]
  • 2021年途中からフィールドの芝生の間に雑草スズメノカタビラが繁殖し、10月時点では視認可能な程度に広がっており、放っておけば更に増殖するため、除草剤を散布し新たな芝生の種を植えた。ただし芝生の繁茂は2022年のJ3リーグ開幕には間に合わず、同年5月ごろとなった[22]
管理棟兼津波避難施設
RC造4階建て。天然芝球技場のメインスタンド中央(敷地全体のほぼ中央)に建つ。通常はスタジアムの管理棟として1階に更衣室、3階に放送席・記者席・運営本部室を確保するほか、4階に集会室を備えコミュニティセンターとしても活用する。
津波災害発生時には津波避難施設として、4階の集会室が一時避難所となるほか、4階に情報収集・応急処置スペース、備蓄倉庫を有する。4階には屋外階段(非常時に開錠)を使って、外部から直接出入りできる計画としている[23]
多目的グラウンド(人工芝)
  • JFA公認ロングパイル人工芝の採用を想定したフィールド(フィールドサイズ123m×83m、ピッチサイズ105m×68m)
  • 観客席はサイドスタンドのみ(芝生席)。
  • スコアボードは移動式。
  • 東北大会レベルに対応できる照明設備(水平面照度200Lx)を設ける。

アクセス[編集]

周辺[編集]

ギャラリー[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b 多賀多目的運動場
  2. ^ a b 八戸市多賀多目的運動場天然芝球技場のネーミングライツスポンサーが決定しました』(プレスリリース)八戸市まちづくり文化スポーツ観光部スポーツ振興課、2016年7月22日http://www.city.hachinohe.aomori.jp/index.cfm/1,97873,71,277,html2016年7月24日閲覧 
  3. ^ a b 基本構想 2013, p. 2.
  4. ^ 基本構想 2013, p. 6.
  5. ^ a b 基本構想 2013, p. 5.
  6. ^ a b 基本設計 2014, p. 6.
  7. ^ “八戸・多賀地区の多目的運動場 整備進捗率85%”. Yahoo!ニュースデーリー東北. (2016年7月1日). http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160701-00010002-dtohoku-l02 2016年7月17日閲覧。 
  8. ^ “<JFL八戸>新スタジアム初戦 最多5028人”. 河北新報. (2016年10月3日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201610/20161003_24039.html 2016年10月3日閲覧。 
  9. ^ “サッカー JFL 八戸、初戦を飾れず 天然芝球技場で開場行事/青森”. 毎日新聞青森版. (2016年10月3日). http://mainichi.jp/articles/20161003/ddl/k02/050/128000c 2016年10月3日閲覧。 
  10. ^ a b c d e f g 実施設計 2015, p. 2.
  11. ^ 実施設計 2015.
  12. ^ “プライフーズスタジアムに照明設備設置へ 八戸市、J3基準適合に向け”. デーリー東北. (2020年3月4日). https://www.daily-tohoku.news/archives/31728 2020年3月14日閲覧。 
  13. ^ “プライフーズスタジアム(八戸)照明整備工事、市が業者と仮契約締結”. デーリー東北. (2020年6月10日). https://www.daily-tohoku.news/archives/37108 2021年4月13日閲覧。 
  14. ^ “ヴァンラーレ本拠地 照明設備近く着工/八戸”. 東奥日報. (2020年6月11日). https://www.toonippo.co.jp/articles/-/364032 2021年4月13日閲覧。 
  15. ^ “ヴァンラーレ、きょう讃岐戦 ホーム初のナイトゲーム”. デーリー東北. (2021年7月10日). https://www.daily-tohoku.news/archives/70629 2021年7月11日閲覧。 
  16. ^ “照明の下で選手躍動 ヴァンラーレ、ホーム初のナイター”. デーリー東北. (2021年7月11日). https://www.daily-tohoku.news/archives/70724 2021年7月11日閲覧。 
  17. ^ “球技場名称「ダイハツスタジアム」に/八戸・多賀運動場”. 東奥日報. (2016年7月22日). http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2016/20160722015827.asp 2016年7月24日閲覧。 
  18. ^ “八戸市多賀多目的運動場天然芝球技場のネーミングライツスポンサーが決定しました”. 八戸市まちづくり文化スポーツ部 スポーツ振興課. (2019年11月21日). http://www.city.hachinohe.aomori.jp/handlers/printcontent.cfm?GroupID=14&ContentID=134384&ThisPageURL=http%3A%2F%2Fwww%2Ecity%2Ehachinohe%2Eaomori%2Ejp%2Findex%2Ecfm%2F14%2C134384%2C71%2C277%2Chtml&EntryCode=2037 2020年1月2日閲覧。 
  19. ^ “八戸市多賀多目的運動場天然芝球技場ネーミングライツを取得しました”. プライフーズ. (2019年12月11日). https://www.prifoods.jp/news/detail.html?id=86 2020年1月2日閲覧。 
  20. ^ 9月24日・マイナビ-INAC
  21. ^ ラインメール青森 vs 札幌大学 試合情報 天皇杯 JFA 第100回全日本サッカー選手権大会 JFA.jp”. JFA 日本サッカー協会 (2020年9月16日). 2021年4月13日閲覧。
  22. ^ 【お知らせ】プライフーズスタジアム(天然芝球技場)の芝生リセットについて』(プレスリリース)八戸市多賀多目的運動場、2022年1月6日https://taga-playground.sakura.ne.jp/news/211222_1438112022年4月18日閲覧 
  23. ^ 実施設計 2015, p. 6.
  24. ^ a b c アクセス”. 公式サイト. 2020年3月6日閲覧。

参考資料[編集]

  • 八戸市(まちづくり文化スポーツ観光部スポーツ振興課) (28 August 2013). (仮称)多賀地区多目的運動場整備基本構想 (PDF) (Report). 2020年1月11日閲覧
  • 八戸市(まちづくり文化スポーツ観光部スポーツ振興課) (23 April 2014). (仮称)多賀地区多目的運動場整備基本設計 概要版 (PDF) (Report). 2020年1月11日閲覧
  • 八戸市(まちづくり文化スポーツ観光部スポーツ振興課) (3 March 2015). (仮称)多賀地区多目的運動場実施設計 概要版 (PDF) (Report). 2020年1月11日閲覧

外部リンク[編集]