ブルース・ボウチー

ブルース・ボウチー
Bruce Bochy
テキサス・レンジャーズ 監督 #15
サンフランシスコ・ジャイアンツでの監督時代
(2017年3月22日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 フランスの旗 フランス
シャラント=マリティーム県ビュサック=フォレ英語版
生年月日 (1955-04-16) 1955年4月16日(69歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 1975年 MLBドラフト1巡目
初出場 1978年7月19日
最終出場 1987年10月4日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
監督・コーチ歴

ブルース・ダグラス・ボウチーBruce Douglas Bochy, 1955年4月16日 - )は、フランスシャラント=マリティーム県 ビュサック=フォレ英語版出身の元プロ野球選手(捕手)、監督。右投右打。2023年より、MLBテキサス・レンジャーズで監督を務める。

愛称はボッチ[1]

経歴[編集]

ボウチーは、フランスのシャラント=マリティーム県ビュサック=フォレ英語版で生まれ、アメリカ合衆国フロリダ州で育った。ボウチーの父はアメリカ陸軍下士官曹長だった[2]1975年MLBドラフトヒューストン・アストロズから1巡目(全体24位)で指名され、プロ入りした。

現役時代[編集]

現役時代は捕手としてアストロズ(1978年 - 1980年)、ニューヨーク・メッツ1982年)、サンディエゴ・パドレス1983年 - 1987年)に所属し、通算358試合の出場で打率.239、26本塁打、93打点を記録した。パドレスではテリー・ケネディの控え捕手として起用され、1984年ワールドシリーズでは第5戦で代打として出場し安打を記録したが、デトロイト・タイガースに1勝4敗で敗れた[3]1988年はパドレス傘下のAAA級ラスベガス・スターズで選手兼コーチを務め[4]、同年現役を引退。

引退後[編集]

引退後はパドレス傘下のマイナー球団の監督を歴任[2]1989年はA-級スポケーン・インディアンス英語版1991年はA+級ハイデザート・マーベリックス1992年はAA級ウィチタ・パイロッツでリーグ優勝を果たした[4]1993年から1994年はパドレスで三塁コーチを務め、1994年10月21日にジム・リグルマンに代わり、パドレスの監督に就任した[2]

監督就任1年目の1995年は70勝74敗と負け越したが、1996年は91勝71敗で地区優勝を果たし、シーズン終了後にナリーグの最優秀監督に選出された。1998年は98勝64敗で地区優勝を果たし、球団史上14年ぶりにワールドシリーズ進出を果たしたが、ニューヨーク・ヤンキースに4連敗で敗れた。1999年4月10日に監督として通算338勝で、ディック・ウィリアムズの監督としての勝利数の球団記録を更新[5]

1999年から2003年にかけて5年連続で負け越した。2000年からの4年契約を満了し、2004年2月17日に2年目の2005年は球団オプションの契約に合意[6]ペトコパーク開場1年目の2004年は地区優勝はならなかったものの、87勝75敗と6年ぶりに勝ち越した。2005年と2006年は地区優勝を果たしたが、いずれもディビジョンシリーズセントルイス・カージナルスに敗れた。

2006年10月27日にサンフランシスコ・ジャイアンツの監督に就任[7]

2010年には自身初、球団にとってもサンフランシスコ移転後では初となるワールドシリーズ制覇を達成した。また2012年2014年にもワールドシリーズを制覇した。2016年にもワイルドカードでポストシーズン進出を果たしたが、ディビジョンシリーズでシカゴ・カブスに敗れた。

2019年シーズン開幕前に同シーズン限りでチーム監督の退任を発表した。同年9月18日のボストン・レッドソックス戦の勝利で史上11人目となる通算2000勝に到達した[8]

2020年より野球フランス代表の監督に就任し、2022年9月に開催された第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)予選でも代表監督を務めた[9]

2022年10月21日、2023年よりテキサス・レンジャーズの監督を務めることが発表された[10]。就任1年目の2023年、レンジャーズはレギュラーシーズン最終戦で地区優勝を逃したが、第5シードとしてポストシーズン進出。ワイルドカードシリーズでレイズに2連勝、地区シリーズでは今季ア・リーグ最高勝率のオリオールズを3連勝で下した。

リーグ優勝決定シリーズでは、地区優勝を奪われたア・リーグ西地区王者アストロズを4勝3敗で下しワールドシリーズ進出。そしてワールドシリーズではともにワイルドカードから勝ち上がってきたダイヤモンドバックスを4勝1敗で下し、レンジャーズは球団創設以来初となるワールドシリーズ優勝を果たした。ポストシーズンでは敵地での試合にすべて勝利し、メジャー新記録となるポストシーズン敵地11連勝を達成。自身4度目となるワールドシリーズ制覇となった。

監督として史上初の異なる3球団(パドレスジャイアンツレンジャーズ)でリーグ優勝[11]、監督ではスパーキー・アンダーソントニー・ラルーサに次ぐ史上3人目の両リーグでのワールドシリーズ優勝、および監督として史上6人目となるワールドシリーズ制覇4度を記録しており、これらの業績から引退後の野球殿堂入りは確実視されている。

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
1978 HOU 54 167 154 8 41 8 0 3 58 15 0 0 0 2 11 4 0 35 8 .266 .311 .377 .688
1979 56 143 129 11 28 4 0 1 35 6 0 0 0 0 13 4 1 25 5 .217 .294 .271 .565
1980 22 28 22 0 4 1 0 0 5 0 0 0 0 0 5 1 1 7 0 .182 .357 .227 .584
1982 NYM 17 53 49 4 15 4 0 2 25 8 0 0 0 0 4 0 0 6 1 .306 .358 .510 .869
1983 SD 23 44 42 2 9 1 1 0 12 3 0 0 0 2 0 0 0 9 2 .214 .205 .286 .490
1984 37 97 92 10 21 5 1 4 40 15 0 1 1 1 3 0 0 21 2 .228 .250 .435 .685
1985 48 120 112 16 30 2 0 6 50 13 0 0 2 0 6 1 0 30 1 .268 .305 .446 .752
1986 63 142 127 16 32 9 0 8 65 22 1 0 1 0 14 3 0 23 3 .252 .326 .512 .838
1987 38 87 75 8 12 3 0 2 21 11 0 1 0 1 11 1 0 21 3 .160 .264 .280 .544
MLB:9年 358 881 802 75 192 37 2 26 311 93 1 2 4 6 67 14 2 177 25 .239 .298 .388 .685

年度別監督成績[編集]





















ポストシーズン
勝敗
1995 SD NL 西 40歳 144 70 74 .486 3 / 4    
1996 41歳 162 91 71 .562 1 / 4 NLDS敗退 00勝03敗
1997 42歳 162 76 86 .469 4 / 4    
1998 43歳 162 98 64 .605 1 / 5 WS敗退 07勝07敗
1999 44歳 162 74 88 .457 4 / 5    
2000 45歳 162 76 86 .469 5 / 5    
2001 46歳 162 79 83 .488 4 / 5    
2002 47歳 162 66 96 .407 5 / 5    
2003 48歳 162 64 98 .395 5 / 5    
2004 49歳 162 87 75 .537 3 / 5    
2005 50歳 162 82 80 .506 1 / 5 NLDS敗退 00勝03敗
2006 51歳 162 88 74 .543 1 / 5 NLDS敗退 01勝03敗
2007 SF 52歳 162 71 91 .438 5 / 5    
2008 53歳 162 72 90 .444 4 / 5    
2009 54歳 162 88 74 .543 3 / 5    
2010 55歳 162 92 70 .568 1 / 5 WS優勝 11勝04敗
2011 56歳 162 86 76 .531 2 / 5    
2012 57歳 162 94 68 .580 1 / 5 WS優勝 11勝05敗
2013 58歳 162 76 86 .469 3 / 5
2014 59歳 162 88 74 .543 2 / 5 WS優勝 12勝05敗
2015 60歳 162 84 78 .519 2 / 5
2016 61歳 162 87 75 .537 2 / 5 NLDS敗退 02勝03敗
2017 62歳 162 64 98 .395 5 / 5
2018 63歳 162 73 89 .451 4 / 5
2019 64歳 162 77 85 .475 3 / 5
2023 TEX AL 西 68歳 162 90 72 .556 2 / 5 WS優勝 13勝04敗
MLB:26年 4194 2093 2101 .499 - 57勝37敗
  • 年度の太字は最優秀監督賞受賞。
  • 順位の太字はプレーオフ進出(ワイルドカードを含む)。
  • WS…ワールドシリーズ、LCS…リーグチャンピオンシップシリーズ、DS…ディビジョンシリーズ、WC…ワイルドカードゲーム(ワイルドカードシリーズ)。

脚注[編集]

  1. ^ Giants Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月29日閲覧
  2. ^ a b c Center, Bill (2006年10月27日). “Skipper respected by players, coaches as a man who got the best out of them” (英語). The San Diego Union-Tribune. 2010年8月6日閲覧。
  3. ^ October 14, 1984 World Series Game 5, Padres at Tigers” (英語). Baseball-Reference.com. 2010年8月6日閲覧。
  4. ^ a b Naiman, Joe; Porter, David (2003). The San Diego Padres Encyclopedia. United States: Sports Publishing LLC. pp. p. 203. ISBN 978-1582610580. https://books.google.co.jp/books?id=rcilc7h_2oMC&pg=PA203#v=onepage&q&f=false 2010年8月6日閲覧。 
  5. ^ NATIONAL LEAGUE: ROUNDUP; Johnson Strikes Out 15 in Six-Hitter” (英語). The New York Times (1999年4月11日). 2010年8月6日閲覧。
  6. ^ Padres exercise option in Bochy's contract” (英語). MLB.com (2004年2月17日). 2010年8月6日閲覧。
  7. ^ Giants hire two-time Manager-of-the-Year Bruce Bochy as manager” (英語). MLB.com (2006年10月27日). 2010年8月6日閲覧。
  8. ^ ジャイアンツ・ボウチー監督2000勝 歴代11位”. nikkansports.com. 2019年9月22日閲覧。
  9. ^ Bruce BOCHY returns as manager the French National Baseball Team for the 2023 World Baseball Classic Qualifications” (PDF) (フランス語). Fédération Française de Baseball et Softball (2022年9月12日). 2023年6月18日閲覧。
  10. ^ ワールドチャンピオン3度の名将ボウチー氏、レンジャーズ新監督で4年ぶり復帰 3年契約”. スポーツ報知 (2022年10月22日). 2023年6月18日閲覧。
  11. ^ レンジャーズ・ボウチー監督は史上初の3球団でのリーグ優勝 「私は選手の後からついていっただけ」ナインを激賞

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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