フェデックス・エクスプレス

フェデックス・エクスプレス
FedEx Express
IATA
FX
ICAO
FDX
コールサイン
FED EX
設立 1971年6月18日
(Federal Expressとして)
運航開始 1973年4月17日
ハブ空港

「スーパーハブ」

アメリカ:

アジア・太平洋:

カナダ:

ヨーロッパ:

中東・アフリカ:

親会社 フェデックス・コーポレーション
保有機材数 668
就航地 375+
スローガン The World On Time
本拠地 メンフィス (テネシー州)
代表者 Rajesh Subramaniam, President and CEO of Express division
外部リンク www.fedex.com
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フェデックス・エクスプレス英語:FedEx Express、以前はフェデラル・エクスプレス)はアメリカ合衆国テネシー州メンフィス[7]を拠点にする貨物航空会社

概要[編集]

フェデックス・エクスプレスは、フェデックス・コーポレーション貨物航空部門子会社として、フェデックス・ブランドの下で貨物航空機(カーゴ機)の運航を担当している。貨物輸送トン数で世界最大の航空会社である。1日あたりの平均輸送量は小包400万個以上、貨物1100万ポンド(約4990トン)以上に及び、220以上の国と地域、375の空港を結び貨物機を運行している[8]。また、保有機材数の面でも、セスナなどの小型機からボーイング777といった大型機まで、合計600機以上の航空機を有している[8]。この保有機材数は貨物航空会社としては世界最大、旅客航空会社を含めた場合でも有数の規模を誇る。現在フェデックス・エクスプレス社はどの航空連合にも属さない独立系の会社として運航している。

保有機材[編集]

フェデックス・エクスプレス社の保有機材は、以下の航空機で構成されている(2023年12月現在[9])。

フェデックス・エクスプレスの機材
機材 運航中 発注 備考
エアバスA300F4-600R 65 27機はリースバックにより2024年までに退役予定
ボーイング757-200SF 114
ボーイング767-300ERF 135 17 2025年度までデリバリー予定
ボーイング777F 57 2 1機はパンダの塗装[10]最大のボーイング777F運航航空会社
マクドネル・ダグラスMD-11F 46 10機はリースバックにより2025年までに退役予定
ATR 42-300/320 18 FedEx Feederとして運航
ATR 72-200F 19 FedEx Feederとして運航
ATR 72-600F 16 14 FedEx Feederとして運航
ローンチカスタマー・オプション20機
セスナ 208B 234 FedEx Feederとして運航
セスナ 408B 15 35 オプションで50機を発注
FedEx Feederとして運航
合計 719 68

フェデックスの保有する航空機は、子会社であるフェデックス・エクスプレス(FedEx Express)とフェデックス・フィーダー(FedEx Feeder)の2社によって運航されている。このうち、前者はMD-11などのジェット機の運航を、後者はセスナ208Bなどターボプロップ機の運航を担当している。

現在フェデックスでは、機材の大がかりな更新を進めている。

ボーイング727-200F

同社では、長年に渡ってボーイング727型貨物機をナローボディ貨物機の中核として使用し、近年の騒音規制強化の流れの中でも、ハッシュ・キットと呼ばれる騒音軽減装置を全機に装着して、使用を続けていた。しかし、老朽化がさらに激しくなっていることから、代替機としてボーイング757-200型機を中古で購入した。現在既に80機以上のボーイング757-200が導入されており、さらに数機が発注中である。ボーイング727については、2013年に全機退役。

また、A310などのワイドボディ機、特にDC-10などの3発機についても、更新を順次計画・進行している。この中で、A380-800F型機の納入遅延・発注キャンセル問題が発生した。フェデックスは当初、当時開発中であったエアバスA380-800F型機を最初に購入することを公表していたが、2006年11月、同機の納期遅延が慢性化しているなどの理由で発注を全てキャンセル、新たにボーイング777フレイター(ボーイング777F)を発注した。なお、エアバスA380-800Fについては、フェデックスの他にもユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)や、エミレーツ航空(エミレーツ・スカイカーゴ)が発注していたが、現在ではこの2社も発注を全てキャンセルしている。これらのキャンセルで発注を全て失ったことから、A380-800F型機の開発は凍結・中止されている。A380の代わりに発注していたボーイング777Fは2009年から順次受領し、ボーイングMD-10-10型、ボーイングMD-10-30などとの更新などに充てており、2022年末をもって同社からMD-10シリーズが退役した。また、米国内で使用目的によりボーイングMD-10シリーズと規模等の近いボーイング767F(ボーイング767-300ER/F)の導入を開始した。運行中のB767のうち、2機のみ元シルクウェイウエスト航空であるほかLATAMからウィングレット付きのB767-300Fをリースしていた時期があった。

その他、ターボプロップ機に関しても、フォッカー27 フレンドシップ、セスナ208A型機の退役を完了し、ATR-42/72やセスナ208Bといった新しい機体への更新を完了している。

なお、フェデックスが発注したボーイング製航空機のカスタマーコードはS2で、航空機の型式名は727-2S2F、777F-S2などとなる。

事故・事件[編集]

  • 1994年4月7日:メンフィス空港を離陸したフェデックス705便(マクドネル・ダグラスDC-10F型機、N306FE)の機内で、非番で搭乗した男が705便のクルーたちをハンマーなどで襲った。男は705便をハイジャックして機体をメンフィスにあるフェデックスの社屋に墜落させることを目論んでいたが、クルーたちの反撃によって失敗した。機長の操縦でメンフィス空港に着陸した後、男は逮捕された。
  • 1997年7月31日:ニューアーク国際空港に着陸しようとしたフェデックス14便(マクドネル・ダグラスMD-11F型機、N611FE)が不安定になり宙返りして着地して炎上、機体は全損したが搭乗していた5名は救助された。
  • 1999年10月17日:上海浦東国際空港を出発しフィリピンスービック・ベイ国際空港に着陸しようとしたフェデックス87便(マクドネル・ダグラスMD-11F型機、N581FE)が、滑走路で停止出来ずオーバーランし、海に突っ込んで大破し水没。幸い死者は無かった。

脚注[編集]

  1. ^ https://www.aviationpros.com/press_release/12425549/fedex-express-mid-atlantic-hub-to-hire-400-new-workers
  2. ^ FedEx Opens North Pacific Regional Hub at Kansai International Airport”. newswit.com (2014年7月3日). 2014年7月3日閲覧。
  3. ^ Incheon Int‘l Airport to open FedEx cargo terminal”. TheKoreaHerald (2016年3月30日). 2016年3月30日閲覧。
  4. ^ FedEx Express opens new facility at Shanghai Pudong International Airport”. 2018年4月15日閲覧。
  5. ^ FedEx Express to Establish New Singapore Regional Hub”. 2018年4月15日閲覧。
  6. ^ DVV Media Group GmbH. “FedEx Express opens new Malpensa hub ǀ Air Cargo News”. Aircargonews.net. 2017年11月11日閲覧。
  7. ^ "FedEx in Memphis." FedEx. Retrieved on February 28, 2010.
  8. ^ a b [1]
  9. ^ FedEx Q4 Fiscal 2019 Statistics”. 2019年8月31日閲覧。
  10. ^ “FedEx announces "Panda Express" to China”. FedEx. (2010年1月28日). http://blog.seattlepi.com/aerospace/2010/01/28/fedex-announces-panda-express-to-china/ 2012年1月15日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]