ハルコロ

ハルコロ(Harukor)は、「haru-kor=食べ物・持つ」を意味し、「食べ物に困らないように」という願いをこめて命名されたアイヌ語の名詞[1]

  1. 本多勝一の『アイヌ民族』(朝日新聞社、1993年)を原作とし、アイヌ女性の半生を描いた石坂啓の長編漫画[2]萱野茂が監修で、ハルコロは主人公の名前である[2]潮出版社から1992-1993年に全2冊で刊行され、2021年に岩波現代文庫から同じく全2冊で刊行された[3][4]
  2. 日本の東京都新宿区百人町に2011年5月に開店したアイヌ料理および北海道創作料理の店[5]

本記事では、東京都のアイヌ料理店について記述する。

ハルコロの店内

概要[編集]

「ハルコロ」は現在、東京で唯一のアイヌ料理・北海道創作料理店である[6][7]。「レラ・チセ(風の家)」(1994 - 2009)に関わっていた母子(宇佐タミエ・宇佐照代)が、アイヌ料理を広め、アイヌが集う場を維持したいと2011年に開店した[1][8]アイヌ料理の提供に留まらず、首都圏に暮らすアイヌやその他の人々との交流の場、アイヌ文化の拠点的な役割を果たす[6][9]。「チャランケ祭」などのイベントにも出店する[10][7]。店内に『ゴールデンカムイ』の作者・野田サトルのサインがあり、作品のファンも訪れる[10]

店名は、アイヌ語で「ハル(食べ物)」と「コロ(持つ)」を意味し、「食べ物に困らないように」という願いをこめて命名された[1]。Harukorのカタカナ表記は、正確には「ハルコㇿ」となり、「ロ」が小さく書かれる[11]

メディア掲載、登場[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 朝日新聞2011年10月1日記事より - 新宿「ハルコロ」母の志継ぎ、店きりもり”. アイヌウタリ連絡会 (2011年10月8日). 2022年5月26日閲覧。
  2. ^ a b 島田一志 (2021年6月29日). “アイヌ文化を描く漫画は『ゴールデンカムイ』だけじゃない 石坂啓の隠れた名作『ハルコロ』の現代性”. Real Sound. Real Sound. 2021年11月8日閲覧。
  3. ^ ハルコロ(1)”. 岩波書店. 2022年5月26日閲覧。
  4. ^ ハルコロ(2)”. 岩波書店. 2022年5月26日閲覧。
  5. ^ アイヌ伝統料理を東京で 大久保の「ハルコロ」”. 地域ニュース・てくてくjapan・あらかると. 47NEWS (2011年9月16日). 2013年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月24日閲覧。
  6. ^ a b 【グルメ】老舗の味を今に伝える都内唯一のアイヌ料理店「ハルコロ」 / 東京・新大久保”. ロケットニュース (2013年2月25日). 2022年5月26日閲覧。
  7. ^ a b アイヌ民族と沖縄出身者が中心になって作り上げたチャランケ祭”. TBSラジオ 人権Today (2013年12月7日). 2022年5月26日閲覧。
  8. ^ アイヌ集う場所を東京にも…亡き祖母の思い引き継ぐ 新大久保の料理店”. SankeiBiz (2020年8月24日). 2022年5月26日閲覧。
  9. ^ a b 「宇佐照代」 のテレビ露出情報”. TVでた蔵. 2022年5月26日閲覧。
  10. ^ a b ヒンナヒンナ…「東京に住むアイヌ」の喜びと悲しみを知っていますか”. 講談社 現代ビジネス (2018年2月2日). 2022年5月26日閲覧。
  11. ^ マンガ『ゴールデンカムイ』の食文化を味わいにアイヌ創作料理店「ハルコロ」に行ってきました!”. アーク・コミュニケーションズ (2022年1月22日). 2022年5月26日閲覧。
  12. ^ 野田サトル『ゴールデンカムイ公式ファンブック 探究者たちの記録』集英社、2020年11月19日。ISBN 978-4088917320 
  13. ^ ゴールデンカムイ(公式)Twitter” (2021年4月7日). 2022年5月26日閲覧。
  14. ^ 『MOE2021年12月号 ゴールデンカムイとアイヌの物語』白泉社、2021年11月2日、20-21頁。 
  15. ^ かくたみほTwitter” (2021年11月14日). 2022年5月26日閲覧。
  16. ^ 小さな旅「“東京エスニックタウン”〜新大久保駅界わい〜」”. NHK. 2022年5月26日閲覧。
  17. ^ 番組名 小さな旅 「“東京エスニックタウン”~新大久保駅界わい~」”. NHKクロニクル. 2022年5月26日閲覧。

外部リンク[編集]