ニキ航空

ニキ航空
Niki Luftfahrt GmbH
IATA
HG
ICAO
NLY
コールサイン
FLYNIKI
設立 2003年
ハブ空港 ウィーン国際空港
ザルツブルク空港 
マイレージサービス Top Bonus
航空連合 ワンワールド
保有機材数 30機
就航地 36都市
本拠地 オーストリアシュヴェヒャート英語版
外部リンク http://www.flyniki.com/
テンプレートを表示
ニキ航空の A321-231

ニキ航空 (NIKI Luftfahrt GmbH) とは、オーストリアのウィーン国際空港に拠点を置いていた、国際線格安航空会社である。創業者は往年の名F1ドライバーであるニキ・ラウダである。

概略[編集]

ニキ・ラウダはかつて、自らの苗字をつけたラウダ航空を経営していたが、機体の欠陥による墜落事故(ラウダ航空004便墜落事故)をきっかけにラウダ航空は経営難に陥り、オーストリア航空に2000年11月に経営権を譲渡した。

その後航空業界に再参入するために2003年、ドイツのアエロ・ロイド航空のオーストリア子会社、アエロ・ロイド・オーストリア(Aero Lloyd Austria)を買収し、自らのファーストネームをつけた「ニキ航空」を設立した。

資本に関しては、ラウダと共にエア・ベルリンが24%を設立時に出資し、後にエア・ベルリンの出資比率は49.9%へ引き上げられている[1]。経営方針に関してはエア・ベルリンと同様に「低価格かつ高品質のサービス」を売りにしている。

航空券の座席予約システム(CRS)は、エア・ベルリンと同じく、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用していた[2]

2010年7月にエア・ベルリンがワンワールドへ加盟する方針を表明したことに伴い、ニキ航空も2012年3月20日より同社のアフィリエイトメンバーとしてワンワールドに加盟した[1]2015年6月14日より、エティハド航空とのコードシェア便でアブダビ経由ウィーン=成田線と、アブダビ・北京経由ウィーン=中部線に就航している。

2016年にはドイツの旅行会社で、傘下に複数の航空会社を持つトゥイ・グループとの間で、ニキ航空を母体とするレジャー航空会社を設立する事を計画していたが[3]2017年6月にこれを断念した[4]

2017年8月15日、提携関係にあったエティハド航空からの支援打ち切りに伴いエア・ベルリンが破産手続きを開始したが、ニキ航空はエア・ベルリン共々運航が継続された[5]。なお、エア・ベルリンは同年10月27日に運航を停止している。

2017年10月13日ルフトハンザ航空はエア・ベルリングループとの交渉を経て、ニキ航空とLGWの買収契約の締結を発表。買収する2社はユーロウイングスに吸収し、急速に成長を進める新ブランドの運航規模を拡大する方針であった[6]。しかし欧州委員会が競争環境への懸念を示した事で買収をあきらめたため、ニキ航空は同年12月14日に運航を停止した[7]

2017年12月29日には、インターナショナル・エアラインズ・グループがニキ航空の資産を購入し、傘下のブエリング航空が設立する子会社で運航する方針を発表したが[8]、交渉が不調に終わり、2018年1月に創業者のラウダがトーマス・クック・グループなどと組む形で同社を買い戻した[9]。ラウダは2016年に別のビジネスジェット運営会社を買収、「Laudamotion」のブランド名で経営を行っていたことから、ニキ航空の資産を同社に移管し、2018年3月より「Laudamotion」ブランドで一部路線の運行を再開したが、実際の運行業務はトーマス・クック・グループのコンドル航空に委託された。

なおラウダは、同月にLaudamotionの株式の大半をライアンエアーに売却したため[10]、コンドル航空との契約は早くも同年4月に終了し、以後はライアンエアーとパートナーシップを組んでいる。

保有機材[編集]

2017年4月現在、保有機材は以下の通りである。

過去に運航していた機材[編集]

ニキ航空の A320-200

出典・脚注[編集]

  1. ^ a b Air Berlin to join oneworld
  2. ^ Airlines using Amadeus” (英語). アマデウスITグループ. 2015年9月27日閲覧。
  3. ^ “エティハド航空、TUIとのレジャー航空会社の設立を取締役会で承認”. フライチーム. (2016年12月6日). http://flyteam.jp/news/article/72654 2017年8月26日閲覧。 
  4. ^ “TUIとエティハド航空、新たなレジャー航空会社の設立を断念”. フライチーム. (2017年6月9日). http://flyteam.jp/news/article/80267 2017年8月26日閲覧。 
  5. ^ “エア・ベルリン、破産手続き申請 政府とルフトハンザ支援で運航継続”. フライチーム. (2017年8月16日). http://flyteam.jp/news/article/82996 2017年8月26日閲覧。 
  6. ^ “ニキ航空とLGWはユーロウイングスに吸収、A320とQ400を計50機移籍”. フライチーム. (2017年10月16日). http://flyteam.jp/news/article/85462 2017年10月31日閲覧。 
  7. ^ “ニキ航空、12月14日に運航停止 ユーロウイングスの拡大戦略は継続”. フライチーム. (2017年12月21日). https://flyteam.jp/news/article/88278 2017年12月31日閲覧。 
  8. ^ “IAG、ニキ航空の資産取得へ ブエリングがオーストリアに子会社設立”. フライチーム. (2018年1月4日). https://flyteam.jp/news/article/88778 2018年1月14日閲覧。 
  9. ^ IAG、ニキ航空の買収が不調 創業者のニキ・ラウダ氏が買収へ - FlyTeam・2018年1月24日
  10. ^ ライアンエアー、ニキ航空の引受先を買収へ - NNA EUROPE・2018年3月21日

外部リンク[編集]

  • NIKI(ドイツ語)(英語)