トゥッカ

トゥッカ
出生名 Valeniza Zagni da Silva
生誕 1944年10月17日
ブラジルの旗 ブラジルサンパウロ州
死没 (1978-08-05) 1978年8月5日(33歳没)
ジャンル ボサノヴァ, MPB
職業 ギタリスト歌手作曲家
担当楽器 ボーカルギター
活動期間 1966年 - 1978年
レーベル シャンテクレー・レコード (1966年)
フィリップス・レコード(1968年 - 1974年)
Som Livre (1974年 - )

トゥッカポルトガル語TucaValeniza Zagni da Silva)は、ブラジル出身のギタリスト歌手作曲活動も行った。トゥーカと表記されることもある[1]

フランソワーズ・アルディ1971年に発表したアルバム私の詩集(La Question)」や、ナラ・レオンのアルバム「美しきボサノヴァのミューズ(Dez Anos Depois)」に、ギタリストとして参加したことで知られる。

生涯[編集]

1944年10月17日に、ブラジルサンパウロ市で生まれる。パウリスタ音楽院でクラシックを学んだのち、サンパウロ大学建築学部へ進学。そこでシコ・ブアルキトッキーニョらと出会い、音楽活動を始める[2]

1962年、自身が作曲を手掛けた楽曲「Homem de verdade」が、アナ・ルシアによって歌われる。

1966年TV Excelsiorが開催した音楽祭「Festival Nacional de Música Popular Brasileira」で、アイアート・モレイラとのデュエットで「Porta Estandarte」を歌い、第一位のベリンバウ金賞を受賞。同年にシャンテクレー・レコードから、デビューアルバム「Meu Eu」を発表。

ルアンダで開催された「ブラジル芸術週間」には外務省から派遣され、ジョンゴ・トリオとともに出演した[2]

1968年TV Excelsiorが手掛けた音楽祭「O Brasil canta no Rio」で、ソプラノ歌手のステラ・マリスと共に「Paixão segundo o amor」を歌い、3位に入賞。同年、フィリップス・レコードと契約を結び、アルバム「Tuca」を発表。

同年、テレビ局ヘジ・グローボが制作した音楽祭「第3回国際音楽祭(III Festival Internacional Da Canção Popular Rio)」の国内大会に参加。「Mestre Sala」を歌った(ちなみに、同じ歌謡祭の国際アーティスト部門には、フランソワーズ・アルディも参加しており、フランソワーズは大会で「À quoi ça sert ?」を歌い[3]、「Coq d’or」トロフィーを受賞している)。

1969年フランスへ渡る。

1971年、フランソワーズ・アルディのアルバム「私の詩集(La Question)」に参加。この作品では、全12曲のうち10曲の作曲を担当する。

同年、当時フランスへ亡命中だったナラ・レオンのアルバム「美しきボサノヴァのミューズ(Dez Anos Depois)」に、ギターで参加。

1972年、Michel Renardと楽曲「Tango Bidon」と「C’était mieux comme ça」を共作(Riviera / 121.423)。

ヨーロッパに活動の場を移した後も、フィリップス・レコードから数枚シングルを発売したが、いずれもヒットには結びつかず、レコード会社との契約が解除となる[4]

1974年、ブラジルでは当時新興レーベルだったSom Livre社からアルバム「Dracula, I Love You」を発表し(録音はフランスで行われた)、ブラジルへ帰国する。同年、自作の楽曲「Berceuse」が、ヘジ・グローボのテレビドラマ「O Espigão」のサントラに取り上げられた[2]

1977年、ブラジルのロックバンド「Som Nosso de Cada Dia」のアルバム「Som Nosso」に、楽曲「Montanhas」などを提供。

1970年代、彼女の体重は140キロに達しており[5]、肥満によって健康上の問題が起きないために、治療と食事コントロールによる減量を開始した[6][2]。しかし、医学的なフォローアップがないまま[4]、極端なマクロビオティックダイエットを行ったことで、深刻な栄養失調に陥った[6]

フランソワーズ・アルディによると、「彼女は短期間で約40キロ痩せてしまった」[5]という。

1978年8月5日、薬品の過剰摂取が原因の心臓麻痺[2]により死去。享年33。

ディスコグラフィ[編集]

アルバム

出典[編集]

  1. ^ CDナラ・レオン「美しきボサノヴァのミューズ」(ユニバーサルミュージック合同会社、UICY-3519)解説より - 執筆:村上玲
  2. ^ a b c d e CD:Tuca/Tuca (ユニバーサルミュージック合同会社、UICY77285) 解説より - 執筆:坂尾英矩
  3. ^ III Festival Internacional Da Canção Popular Rio Fase Internacional - Discogs
  4. ^ a b Tuca - Discogs
  5. ^ a b « Elle était arrivée à un poids de 140 kg et, à cause d’un médecin peu consciencieux elle avait perdu une quarantaine de kilos en trop peu de temps […] Elle a eu une chute du taux de potassium m’a-t-on dit, [s’est évanouie et] ne s’est jamais réveillée. » - France Interで放送された番組「Pop etc」内での発言(2012年12月15日放送)
  6. ^ a b Tuca