テラ (聖書)

テラ。

テラヘブライ語 תרח)は、『旧約聖書』においてアブラハムの父とされ、また、中東地域の多くの国民の祖先であるとされる人物である。

創世記」によれば、カルデアウルに居住していた時に、神がアブラハムにカナンの地へと移動するように命令し、テラとその家族たちもアブラハムに従って旅をした。しかし、アブラハムたちとは途中のハランの地で別れ、205歳のときハランで死亡したと伝えられる。

「創世記」「歴代誌」の記述によるテラの家系図[編集]

テラ  │  ├アブラム(アブラハム)  │ │  │ ├イサク  │ │ │  │ │ ├ヤコブ(イスラエル) - イスラエル人  │ │ └エサウ(エドム) - エドム人  │ │  │ ├イシュマエル - イシュマエル人  │ │ │  │ │ ├ネバヨト  │ │ ├ケダル  │ │ ├アドベエル  │ │ ├ミブサム  │ │ ├ミシュマ  │ │ ├ドマ  │ │ ├マサ  │ │ ├ハダド  │ │ ├テマ  │ │ ├エトル  │ │ ├ナフィシュ  │ │ ├ケデマ  │ │ └マハラト(バセマトと同一?:エサウの妻となる)  │ │  │ ├ジムラン  │ ├ヨクシャン  │ ├メダン  │ ├ミディアン - ミディアン人  │ ├イシュバク  │ └シュア  │  ├ナホル  │ │  │ ├ウツ  │ ├ブズ  │ ├ケムエル  │ ├ケセド  │ ├ハゾ  │ ├ピルダシュ  │ ├イドラフ  │ ├ベトエル  │ │ │  │ │ ├リベカ(イサクの妻となる)  │ │ └ラバン  │ │   │  │ │   ├レア(ヤコブの妻となる)  │ │   └ラケル(ヤコブの妻となる)  │ │  │ ├テバ  │ ├ガハム  │ ├タハシュ  │ └マアカ  │  ├ハラン  │ │  │ ├ロト - モアブ人(長女の子孫)、アンモン人(次女の子孫)  │ ├ミルカ(ナホルの妻となる)  │ └イスカ  │  └サライ(サラ:アブラハムの異母妹であり妻) 

イスラム教におけるテラ[編集]

クルアーン(コーラン)に登場する、預言者イブラーヒーム(アブラハム)の父アーザルもその同一人物とされ、その本名はターリフ(テラ)だとされている。聖書の伝承とは異なり、イスラーム伝承にはアーザルが息子イブラーヒームとともに、故郷から移住したと言う伝承は無く、逆に唯一なる神への信仰を説く息子イブラーヒームを生家から追放したとされる。アーザルは偶像造りの名人で、暴君ニムロデの忠実な臣下だっとされ、終生唯一神への信仰を持つことはなかったとされる。

関連項目[編集]