ダンチク

ダンチク
ダンチク
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
階級なし : ツユクサ類 Commelinids
: イネ目 Poales
: イネ科 Poaceae
亜科 : ダンチク亜科 Arundinoideae
: ダンチク属 Arundo
: ダンチク A. donax
学名
Arundo donax
和名
ダンチク

ダンチク(葮竹、暖竹[1]、学名:Arundo donax[2])は、暖地の海岸近くに生育するイネ科の多年草。ヨシタケとも呼ばれる[1]

ヨシに似ているがはるかに大型で、高さは2-4メートルになり、も太くてのようになる。地下茎は短く横に這い、大きな株立ちになる。葉は幅広い線形で、先端は細く伸びる。花序はヨシのものに似て、茎の先端から夏-秋に出る。

旧世界の亜熱帯を中心に分布し、日本の関東南部以西、中国南部、東南アジア、インド、地中海沿岸にある。

世界の侵略的外来種ワースト100に選定されている。

変異[編集]

花序が紫色を帯びるものをムラサキダンチク(A. donax L. var. barbigera (Honda) Ohwi)と言い、包頴に毛があることでも区別されると言われる。また、タカサゴダンチク(タカサゴチク A. donax L. var. coleotricha Hack.) は、沖縄以南にあり、若い葉鞘部に毛が密生することで区別される。

利用[編集]

茎は二酸化ケイ素を含み、頑丈かつ柔軟性に富むため、オーボエクラリネットなどの木管楽器リード部分の素材となるほか、釣竿や杖を作る際にも使用された。古代エジプトでは、死人の埋葬の際ダンチクの葉で死体を蔽う慣習があった。斑入りの品種(西洋ダンチク・フイリダンチク)もあり、庭園に植える。

紀伊半島ではサバなれ鮨を作る際、それを包むのに使われ香気を添える。そのほか、古くから防風林的に畑などの周辺に植栽した例や、護岸に利用した例などが知られており、地域の生活に密着した植物であったと見られる。

近年では、バイオ燃料の原料として注目され、研究の対象になっている[3]

化学[編集]

研究は、本種にトリプタミン系化合物が豊富であることを発見しており、アメリカ産のものよりもインド産のものから発見されており、またインドでは様々な目的で用いられる[4]ブフォテニン[5]グラミンのような[4]毒素もまた発見された。

茎を除去した乾燥根茎は、0.0057%のDMT、0.026%のブフォテニン、0.0023%の5-MeO-MMTを含有する[4]。花にもDMTや5-MeO-NMT英語版が含まれる。

出典[編集]

  1. ^ a b 葮竹(だんちく)とは? 意味や使い方”. コトバンク. DIGITALIO. 2023年6月19日閲覧。
  2. ^ ダンチク”. 植物雑学事典. 岡山理科大学旧植物生態研究室. 2023年6月19日閲覧。
  3. ^ 新しいバイオ資源作物 ダンチクとエリアンサス(農業・食品産業技術総合研究機構)
  4. ^ a b c Erowid Arundo Donax Info Page 1
  5. ^ Erowid Arundo Donax Info Page 3