スズカケノキ

スズカケノキ
Platanus orientalis
Platanus orientalisギリシャ、2006年9月16日)
保全状況評価
LOWER RISK - Least Concern
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
: ヤマモガシ目 Proteales
: スズカケノキ科 Platanaceae
: スズカケノキ属 Platanus
: スズカケノキ P. orientalis
学名
Platanus orientalis L.[1]
和名
スズカケノキ(鈴掛の木、篠懸の木)、プラタナス
英名
oriental planetree、Oriental Plane

スズカケノキ(鈴掛の木、篠懸の木、学名: Platanus orientalis)は、スズカケノキ科スズカケノキ属落葉広葉樹。スズカケは鈴懸[2]鈴掛篠懸などと書き、この木の果実の形状が、山伏が胸にまとう装束「結袈裟」にぶらさがっている装飾的な球形の房(通称「鈴懸」、正式名称「鈴梵天」)に似ていることに由来する。

の学名であるプラタナスと呼ばれることが多いが、日本で見かけるプラタナスは、本種よりもモミジバスズカケノキであることが多い(後述)。

分布・生育地[編集]

原産地はアジア西部[3]。日本への導入は明治年間とされる[2]

特徴[編集]

落葉広葉樹高木[3]、樹高は約10 - 30メートル (m) に達する。樹皮が、に剥げる特徴を持つ。

互生[3]、葉身はカエデに似ていて大きく、状に5 - 7裂し、裂片には鋸歯がある。葉柄の基部に小さい托葉がある。

花期は(5月)で[3]淡黄緑色で、雌花雄花を、別々の葉のつけ根の頭状花序につける。

果期は秋(10月)[3]果実は、晩秋、長い柄の先に痩果が多数集まった3.5cm[4]ほどの球形果を、1本の果軸に3~4個連なって下垂する。

保全状況評価[編集]

利用[編集]

成長が早い[4]ため、街路樹庭園樹として利用されてきた。プラタナスは、ニレボダイジュマロニエと並び、世界四大街路樹の一つに数えられる[3]。日本では街路樹として、モミジバスズカケノキ が多く使われる[6]。モミジバスズカケノキは、スズカケノキとアメリカスズカケノキとの雑種である[2]

器具用。

文化[編集]

「篠懸の花」は春の季語

スズカケノキの花言葉は「天才」[7]「非凡」[3]とされる。この花言葉は、古代ギリシアにおいて、アテネにあるプラタナスの並木道の木陰で、哲学者たちが哲学などを説いたことに由来する[7]

脚注[編集]

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Platanus orientalis L.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年2月6日閲覧。
  2. ^ a b c 田中潔 2011, p. 118.
  3. ^ a b c d e f g 田中潔 2011, p. 119.
  4. ^ a b 波田善夫. “スズカケノキ”. 植物雑学事典. 岡山理科大学. 2011年11月28日閲覧。
  5. ^ World Conservation Monitoring Centre (1998). "Platanus orientalis". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2.3. International Union for Conservation of Nature.
  6. ^ 日比谷花壇|ロマンの会 Archived 2008年5月27日, at the Wayback Machine.(アメリカスズカケノキとモミジバスズカケノキの葉の違いを解説)
  7. ^ a b 北嶋廣敏『「緑」の雑学事典 : 野菜・果物・草花・樹木304』グラフ社、2009年。ISBN 978-4-7662-1223-5 

参考文献[編集]

  • 田中潔『知っておきたい100の木:日本の暮らしを支える樹木たち』主婦の友社〈主婦の友ベストBOOKS〉、2011年7月31日、118 - 119頁。ISBN 978-4-07-278497-6 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]