スケート級原子力潜水艦

スケート級原子力潜水艦
USS Swordfish
艦級概観
艦種 攻撃型原子力潜水艦
計画番号 SCB121
艦名 魚名。
同型艦 4隻(SSN-578、579、583、584)
1番艦就役:1957年
前級 グレイバック級潜水艦
シーウルフ (SSN-575)
次級 バーベル級潜水艦
性能諸元
排水量 水上:2,550t、水中:2,848t
全長 81.6m
全幅 7.6m
吃水 6.3m
予備浮力 11.7%
機関 原子力ギアード・タービン推進
GE S3W型加圧水型原子炉×1基
(SSN-578および583)
またはGE S4W型加圧水型原子炉×1基(SSN-579および584)
タービン×2基/4翼スクリュー×2軸、6,600shp
電池 ガピーIA型126個1群
速力 最大(水上/水中):15.5kt/18.0kt
潜航深度 213m
航続力 (水上/水中哨戒速力/水中最高速力):10ktで14,000nm/3ktで102時間/18.5ktで0.5時間
乗員 84名(士官8名、先任兵曹10名、下士官兵66名)
探索装置 ソナー:SQS-4、BQR-2、WLR-2
レーダー:SS-2
武装 Mk101水中射撃指揮装置
533mm(21inch)水圧式魚雷発射管Mk56×6(艦首)
スイムアウト式魚雷発射管Mk57×2(艦尾)
魚雷×艦首18/艦尾4

スケート級原子力潜水艦(スケートきゅうげんしりょくせんすいかん、Skate class submarine)は、アメリカ海軍の攻撃型原子力潜水艦。ここでいうスケートとは、滑る方のスケートではなく、ガンギエイのことである。

概要[編集]

ノーチラスの成功を踏まえた、米海軍初の量産型原潜。本級の運用により、米海軍は、原潜および原潜艦隊の本格的運用という貴重な経験を手に入れた[1]

1955年度および1956年度に2隻ずつが計画され、建造コストの軽減が目指された。基本的な設計ではノーチラスを継承するものの、ノーチラスより排水量を1000トン減じ、小型原子炉を採用したのである。しかし、機関本体の重量軽減はなしえたものの、放射線遮蔽装置まで「軽減」するわけにはゆかず、機関部全体の重量はノーチラスの40パーセント減にとどまった[1]。結果として、船型の変更が無かったこととあいまって、速力の低下と航続力の短縮を招いてしまい、小型原潜の不経済性を世界ではじめて立証することになった[1]

本級の功績としては、北極海の氷海における原潜の行動能力を実証したことにある。北極点の潜航通過を果たしたのみだったノーチラスに対し、スケート(SSN-578 Skate)は、1958年8月、北極海で最初の本格的な作戦行動を実施し、開氷面に浮上[2]、翌1959年3月には、初めて冬季の北極圏における作戦行動を実施した。1962年7月には、スケートとシードラゴン(SSN-584 Seadragon)は北極圏で会合し、最初の氷海戦闘演習を実施した。

以上のように、技術的には目ぼしさを欠いたものの、運用面での獲得物において本級はなお意義深い。とはいえ、今日に直接的につながる新世代の潜水艦、すなわち設計当初から水中戦を志向した潜水艦の登場は、スキップジャック級を待たなければならない。

脚注[編集]

参考文献[編集]

『世界の艦船』編集部、2000、「スケート級」、『アメリカ潜水艦史』増刊55集(567)、海人社 pp. 102-103

同型艦[編集]

艦籍番号 艦名 就役 退役 除籍 解体
SSN-578 スケート 1957年
12月23日
1986年
9月12日
1986年
10月30日
1995年
3月6日
SSN-579 ソードフィッシュ 1958年
9月15日
1989年
6月2日
1989年
6月2日
1995年
9月11日
SSN-583 サーゴ 1958年
10月1日
1988年
2月26日
1988年
4月21日
1995年
4月5日
SSN-584 シードラゴン 1959年
9月5日
1983年
6月12日
1986年
4月30日
1995年
9月18日

関連項目[編集]