ジャック・カスト

ジャック・カスト
Jack Cust
シアトル・マリナーズ時代
(2011年5月10日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ニュージャージー州フレミントン
生年月日 (1979-01-16) 1979年1月16日(45歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
250 lb =約113.4 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 外野手指名打者
プロ入り 1997年 ドラフト1巡目
初出場 2001年9月26日
最終出場 2011年7月27日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ジョン・ジョゼフ・カスト3世John Joseph Cust III, 1979年1月16日 - )は、アメリカ合衆国ニュージャージー州フレミントン出身の元プロ野球選手外野手指名打者)。

オークランド・アスレチックス所属当時の2008年に日本で行われたレッドソックスとの開幕シリーズでは「クスト」という表記になっていた。

経歴[編集]

1997年にアリゾナ・ダイヤモンドバックスからMLBドラフト1巡目(全体の30番目)の指名を受け入団し、ルーキーリーグで出塁率.447の成績を残す。

2001年メジャーデビューを果たすが、3試合の出場にとどまった。2002年1月7日、マイク・マイヤーズ投手とのトレードで、JD・クロッサー捕手と共にコロラド・ロッキーズへ移籍。

2003年3月21日にクリス・リチャードとのトレードでボルチモア・オリオールズへ移籍した。

2004年10月15日にFAとなり、11月15日にオークランド・アスレチックスとマイナー契約を結んだ。

2005年10月15日にFAとなり、12月9日にサンディエゴ・パドレスとマイナー契約を結んだ。

2007年5月3日にパドレスのマイナーリーグで燻っていたところをアスレチックスのビリー・ビーンGMにただ同然で再び拾われた[1]故障者リスト入りしていたマイク・ピアッツァに代わり指名打者として出場させたところ、10試合7本塁打の活躍でメジャーに定着した[1]打率は低く(特に左投手に対して低い)、三振は極端に多いが、四球本塁打が多く、出塁率、OPSともに高い。2007年の四球105はデビッド・オルティーズの111に次いでリーグ2位で、出塁率.408はリーグ7位の成績である。

2008年は148試合の出場で打率.231、33本塁打、OPS.851の成績を残す。1本塁打あたりの所要打数はカルロス・クエンティンジェイソン・ジアンビに次ぐリーグ3位の14.6打数を記録した他、リーグ最多の111四球を記録した一方でリーグ新記録の197三振も記録した。

2009年は149試合の出場で打率.240、25本塁打、OPS.773の成績を残し、3年連続でリーグ最多三振を記録。12月12日にFAとなった。

2010年1月7日にアスレチックスと再契約した。開幕からエリック・チャベスが指名打者として起用されたため40人枠から外れる。5月中旬にメジャーに復帰し、112試合の出場で打率.272、13本塁打、OPS.834の成績を残す。オフには翌年の契約を提示されず、12月2日にノンテンダーFAとなり、12月8日にシアトル・マリナーズと1年契約を結ぶ。

2011年は7月まで67試合の出場で打率.213、3本塁打、OPS.673と低迷し、8月4日に解雇。12日にフィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結ぶが20日に解雇される。

2012年1月18日にヒューストン・アストロズと60万ドルの1年契約(2013年のオプション付き)でマイナー契約を結んだ[2]が、すぐさま3月27日に解雇された[3]。3月28日にニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約を結んだ[4]。8月1日に放出され、8月4日にトロント・ブルージェイズとマイナー契約を結んだ[5]。11月3日にFAとなった。

2013年2月16日にタンパベイ・レイズとマイナー契約を結んだ[6]が、3月23日に放出された。

2014年2月5日に古巣・オリオールズとマイナー契約を結んだ[7]が、3月21日に放出された。

選手としての特徴[編集]

薬物疑惑[編集]

2007年12月13日に発表されたミッチェル報告書によると、2003年シーズン序盤にオリオールズ傘下AAA級オタワでプレーしていた時、ラリー・ビグビーとカストはロッカーが隣同士だった。カストはビグビーに今までアナボリックステロイドを試した経験があるか尋ねた。ビグビーはステロイドを所持していると認め、カストは自分もステロイドを試した経験があると話した。カストは欲しい薬物は何でも調達出来ると言ったが、ビグビーは既に提供してくれる友人がいると伝えた。この主張についての情報を提供し、応答の機会を与えるためにジョージ・J・ミッチェルが面会を要求したが、カストはこれを拒否した[8]

2008年1月26日のサンフランシスコ・クロニクル紙のインタビューでは、ビグビーとそのような会話をした覚えは全く無いし、ロッカーもビグビーの隣では無かったと証言内容を完全否定した[9]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2001 ARI 3 3 2 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 .500 .667 .500 1.167
2002 COL 35 78 65 8 11 2 0 1 16 8 0 1 0 1 12 0 0 32 3 .169 .295 .246 .541
2003 BAL 27 84 73 7 19 7 0 4 38 11 0 0 0 0 10 0 1 25 0 .260 .357 .521 .878
2004 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
2006 SD 4 3 3 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .333 .333 .333 .667
2007 OAK 124 507 395 61 101 18 1 26 199 82 0 2 0 6 105 2 1 164 6 .256 .408 .504 .912
2008 148 598 481 77 111 19 0 33 229 77 0 0 0 4 111 3 2 197 7 .231 .375 .476 .851
2009 149 612 513 88 123 16 0 25 214 70 4 1 0 4 93 5 2 185 7 .240 .356 .417 .773
2010 112 425 349 50 95 19 0 13 153 52 2 2 0 3 68 0 5 127 6 .272 .395 .438 .834
2011 SEA 67 270 225 19 48 15 1 3 74 23 0 0 0 0 44 2 1 87 3 .213 .344 .329 .673
MLB:10年 670 2581 2107 311 510 96 2 105 925 323 6 6 0 18 444 12 12 819 32 .242 .374 .439 .813
  • 各年度の太字はリーグ最高

脚注[編集]

  1. ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2008』廣済堂出版、2008年、229頁頁。ISBN 978-4-331-51300-2 
  2. ^ Astros Sign Free Agent of Jack Cust”. MLB.com Astros Press Release (2012年1月18日). 2014年2月11日閲覧。
  3. ^ Brian McTaggart (2012年3月27日). “Release of Duke, Cust gives roster some clarity”. MLB.com. 2014年2月11日閲覧。
  4. ^ http://www.rantsports.com/new-york-yankees/2012/03/28/new-york-yankees-sign-jack-cust-claim-craig-tatum-off-waivers/
  5. ^ Ronit Shah (2012年8月5日). “Blue Jays Sign Jack Cust”. MLB Daily Dish. 2014年2月11日閲覧。
  6. ^ Drew Silva (2013年2月17日). “Rays sign Jack Cust to minor league contract”. NBC Sports. 2014年2月11日閲覧。
  7. ^ Drew Silva (2014年2月5日). “Orioles sign relief pitcher Evan Meek and outfielder Jack Cust to minor league contracts”. NBC Sports. 2014年2月11日閲覧。
  8. ^ Mitchell Report” (PDF) (英語). Office of the Commissioner of Baseball. pp. SR159. 2013年11月26日閲覧。
  9. ^ Cust says no to Mitchell Report” (英語). San Francisco Chronicle. 2013年11月26日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]