ジェラルド・カイパー

ジェラルド・カイパー、1963年頃

ジェラルド・ピーター・カイパーGerard Peter Kuiper, 1905年12月7日 - 1973年12月23日)は、オランダおよびアメリカ合衆国天文学者。本名ヘリット・ピーテル・カイペル(Gerrit Pieter Kuiper)。

来歴[編集]

オランダ・北ホラント州ハーレンカルスペルのTuitjenhornで生まれる。ライデン大学で学び、連星の研究で博士号を取る。1933年にアメリカ合衆国に移住してリック天文台ロバート・グラント・エイトケンの元でフェローとなり、1936年に結婚。1937年帰化した。同年にはぎょしゃ座イプシロン星のモデルをオットー・シュトルーベベンクト・ストレームグレンと共に発表して反響を巻き起こし、現在に至る研究の先鞭を付けた。

カイパーは太陽系惑星衛星を2個発見した。1948年の天王星の衛星ミランダと1949年の海王星の衛星ネレイドである。さらに彼は1944年に土星の衛星タイタンメタン大気が存在することを発見した。また彼は、海王星の軌道の外側にベルトの存在を示唆し、存在が確認されたそのベルトは現在カイパーベルトと呼ばれる。

カイパーはまた、航空機から赤外線領域の天体観測を行った先駆者であった。1960年代にコンベア990から天体観測を行った。当時、彼はアリゾナ大学の教授であった。 1960年代にはアポロ計画に於いて月面着陸地の選定を支援した。1973年に旅行先のメキシコシティ心臓発作により死去。遺体は荼毘に付されたが埋葬場所は明らかにされていない[1]

栄誉[編集]

1951年にジュール・ジャンサン賞を受賞、1959年にはアメリカ天文学会からヘンリー・ノリス・ラッセル講師職を受賞した。

小惑星(1776)カイパーおよび月面のカイパー・クレーター、火星水星の同名のクレーターも彼にちなんで命名された。現在は退役しているカイパー空中天文台も彼にちなんで命名された。1984年からは、アメリカ天文学会惑星科学部会によりカイパー賞が創設されている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]