コハウチワカエデ

コハウチワカエデ
紅葉したコハウチワカエデ(山形県蔵王
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
: ムクロジ目 Sapindales
: ムクロジ科 Sapindaceae
: カエデ属 Acer
: コハウチワカエデ
A. sieboldianum
学名
Acer sieboldianum Miq. (1865)[1]
和名
コハウチワカエデ(小羽団扇楓)
イタヤメイゲツ[1]
キバナハウチワカエデ[1]
英名
Kohauchiwa-kaede mapple

コハウチワカエデ(小羽団扇楓[2]学名: Acer sieboldianum)はムクロジ科[注 1]カエデ属落葉高木。別名、キバナハウチワカエデ、イタヤメイゲツ[3][4]。山地に生える。

名称[編集]

和名「コハウチワカエデ」の由来は、ハウチワカエデに似ていて、小型であることによる[3]。別名の「イタヤメイゲツ」は、メイゲツカエデ(ハウチワカエデ)なのにイタヤカエデに似ることからとされる[4]

特徴[編集]

北海道本州四国九州に分布する[3][5]低山から山地に生え、日当たりのよい尾根筋に多く分布する[3][4]。個体数は多い[2]

落葉広葉樹の高木で、高さ10 - 15メートル (m) になる[4]樹皮は灰褐色で、若木はほぼ滑らかであるが、生長と共に太くなると縦に裂け目ができる[5]。一年枝は緑色から紅紫色で白い毛があるか無毛である[5]対生し、ハウチワカエデを小さくして葉柄を長くしたような形で、径5 - 11センチメートル (cm) [4]葉身は7 - 9裂に中程まで切れ込む[3][4]。葉柄は有毛で長く、3 - 7 cmと葉の径に近い[4][2]。秋には紅葉し、条件によって赤色、黄色、橙色など色とりどりに色づく[3]。紅葉は赤色から橙色にかけてのものが多く、鮮やかである[2]。木全体が真っ赤に色づくものも見かけるが、グラデーションになったものも見られる[2]

花期は5 - 6月[5]の色は、淡黄色[4]果実の翼はほぼ水平に開く[4]冬芽芽鱗8枚で、膜質鱗片に深く包まれ、ときに全体が覆われていて、近似種との見分けにもなっている[5]。枝先には仮頂芽を2個つけ、側芽は枝に対生する[5]。葉痕は細く、維管束痕が3個つく[5]

美しく紅葉することからイロハカエデとともに人気があり、公園樹や庭園樹として植えられている[3]。器具材にも利用される[3]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 最新の植物分類体系であるAPG体系ではムクロジ科(Sapindaceae)であるが、古いクロンキスト体系新エングラー体系ではカエデ科(Aceraceae)に分類された。

出典[編集]

  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Acer sieboldianum Miq. コハウチワカエデ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月3日閲覧。
  2. ^ a b c d e 林将之 2008, p. 47.
  3. ^ a b c d e f g h 亀田龍吉 2014, p. 22.
  4. ^ a b c d e f g h i 牧野富太郎 著ほか 2013, p. 528.
  5. ^ a b c d e f g 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 108

参考文献[編集]

  • 亀田龍吉『落ち葉の呼び名事典』世界文化社、2014年10月5日。ISBN 978-4-418-14424-2 
  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、108頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 林将之『紅葉ハンドブック』文一総合出版、2008年9月2日。ISBN 978-4-8299-0187-8 
  • 牧野富太郎 著、邑田仁・米倉浩司 編『APG原色牧野植物大図鑑II = APG MAKINO'S ILLUSTRATED FLORA IN COLOUR 2 (グミ科~セリ科)』北隆館、2013年3月25日。ISBN 978-4-8326-0974-7 

関連項目[編集]