ケレチ・イヘアナチョ

ケレチ・イヘアナチョ
レスター・シティでのイヘアナチョ (2021年)
名前
本名 ケレチ・プロミス・イヘアナチョ
Kelechi Promise Iheanacho
ラテン文字 Kelechi Iheanacho
基本情報
国籍 ナイジェリアの旗 ナイジェリア
生年月日 (1996-10-03) 1996年10月3日(27歳)
出身地 イモ州オウェリ
身長 185cm
体重 77kg
選手情報
在籍チーム イングランドの旗 レスター・シティFC
ポジション FW
背番号 14
利き足 左足
ユース
ナイジェリアの旗 タイェ・アカデミィー
2014-2015 イングランドの旗 マンチェスター・シティ(英語版
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2015-2017 イングランドの旗 マンチェスター・シティFC 46 (12)
2017- イングランドの旗 レスター・シティFC 150 (30)
代表歴2
2013  ナイジェリア U-17 8 (6)
2015  ナイジェリア U-20 2 (0)
2015- ナイジェリアの旗 ナイジェリア 43 (12)
1. 国内リーグ戦に限る。2023年5月31日現在。
2. 2022年06月20日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

ケレチ・プロミス・イヘアナチョ(Kelechi Promise Iheanacho, 1996年10月3日 - )は、ナイジェリアオウェリ出身のサッカー選手[1]ナイジェリア代表プレミアリーグレスター・シティFC所属。ポジションはフォワード

クラブ経歴[編集]

初期経歴[編集]

マンチェスター・シティでのイヘアナチョ (2015年)

ナイジェリアイモ州オウェリのタイェ・アカデミィーに所属していた。2013 FIFA U-17ワールドカップでの活躍により、ヨーロッパのクラブから関心を集めた。本人はFCポルトへの加入を望んでいたが、父親や代理人の助言により、マンチェスター・シティFCへの加入を決めた[2]

マンチェスター・シティ[編集]

2014年にマンチェスター・シティFCへ加入すると、開幕前に行われたプレシーズンマッチのインターナショナル・チャンピオンズカップでは、ACミランを相手に得点を挙げるなど、実力を証明した。ツアー後、10月の中旬まで、コロンバス・クルーでトレーニングをすることになった[3]マンチェスター・シティFCを率いるマヌエル・ペレグリーニ監督もイヘアナチョを高く評価しているが、労働許可の問題や負傷などによりデビューが遅れていた[4]

2015-16シーズン[編集]

リーグ第4節のワトフォードFC戦にて、89分に交代で投入されプレミアリーグデビュー[5]。第5節のクリスタル・パレスFC戦では、89分に交代で投入されると、相手GKに止められたシュートのこぼれ球を押し込み、出場から54秒後に公式戦初ゴールをあげた。イヘアナチョの得点が決勝点となり、チームは1-0で勝利した[6]。 FAカップ4回戦のアストン・ヴィラ戦では、先発で出場すると、PKでの得点を含めたハットトリックを達成。チームの4-0での勝利に貢献した[7]。 

その後、怪我で離脱していたサミル・ナスリに代わり、チャンピオンズリーグのメンバーに登録された[8]。2016年2月24日チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦FCディナモ・キエフ戦では、後半アディショナルタイムに交代で投入され、チャンピオンズリーグデビューを果たす[9]。 

第35節のストーク・シティ戦では2得点をあげ[10]、さらに第36節のサウサンプトン戦でも2得点を記録し[11]、2試合連続で2得点をあげる活躍を見せた。また、チャンピオンズリーグ準決勝レアル・マドリードとの試合では、途中交代での出場ながら、1stレグ、2ndレグと2戦連続で出場し、デビューシーズンながら大舞台での経験を得た[12][13]

リーグ戦では短い出場時間でありながら8得点をあげ、出場時間当たりの得点数では、2位につけていたチームメイトのセルヒオ・アグエロを上回る93.88分に1得点と、リーグ全体でトップの得点率を記録した[14]

2016-17シーズン[編集]

リオデジャネイロオリンピックの招集メンバーに含まれていたが、クラブ側が招集を拒否し、本大会への出場は叶わなかった[15]。2016年8月18日、クラブとの契約を、2021年まで延長したことが発表された[16]

2016年9月10日、リーグ第4節のマンチェスター・ダービーでは、アグエロの出場停止を受けてスタメンで起用された。ケヴィン・デ・ブライネの先制点をアシストし、さらにはポストに当たり跳ね返ったデ・ブライネのシュートを冷静に押し込み、シーズン初得点を記録した。試合は1-2で勝利した[17]。なお、19歳342日での、マンチェスター・ダービーの得点は、マンチェスター・シティFCでの最年少記録となった[18]

2016年9月14日、チャンピオンズリーグボルシア・メンヒェングラートバッハとの試合では、83分に交代で投入される。後半のアディショナルタイムに、ペナルティーエリア内でレロイ・サネから受けたパスを得意の左足でシュートし、ダメ押しとなる4点目を記録した。この得点は、チャンピオンズリーグでの初得点となり、チームは4-0と大勝した[19]。3日後に行われた、4-0で勝利したプレミアリーグ第5節、AFCボーンマス戦でもゴールを決めた[20]。このゴールにより、20歳未満でのプレミアリーグ通算二桁得点を記録した。この記録は、アフリカ人として、またマンチェスター・シティFCの選手として、初の記録となった[21]

冬にガブリエウ・ジェズスが加入すると、フォワードとしての序列が下がり出場機会が減少した。ジェズスが怪我で長期離脱をしていた期間も、ジョゼップ・グアルディオラからの信頼を得ることはできず、ベンチ外の日々が続いた[22][23]

レスター・シティ[編集]

2017年8月3日、レスター・シティFCと2022年までの5年契約を結んだことが発表された[24]。2017年8月11日、シーズン開幕戦となるアーセナル戦にてレスターでのデビューを果たした[25]。2017年10月24日、EFLカップリーズ・ユナイテッド戦にて初ゴールを決めた。

2020-21シーズン前半は途中交代での出場がほとんどであったが、シーズン後半、主力陣の怪我が重なったことでレスターはシステムを変更。ジェイミー・ヴァーディとの2トップでの起用が増加していった。2021年3月14日、シェフィールド・ユナイテッド戦にて、プレミアリーグでの初のハットトリックを達成。その1週間後のFAカップ準々決勝マンチェスター・ユナイテッド戦では2ゴールを記録し、クラブは29年ぶりに準決勝に進出した。2021年4月3日にはクラブと新たに2024年までの3年契約を結んだ[26]。2021年4月18日のFAカップ準決勝サウサンプトン戦では決勝ゴールを決め、1969年以来の決勝進出に貢献した。この試合を含む3月、4月の10試合で12ゴールをあげ、3月にはリーグ月間最優秀賞を受賞するなど、怪我による主力の不在とエースの不調が重なったチームを支えた。

2021年8月7日、FAコミュニティ・シールドマンチェスター・シティ戦にて決勝点となるPKを決め、タイトル獲得に貢献した。

代表経歴[編集]

2013年にアラブ首長国連邦で行われたU-17ワールドカップでナイジェリアを優勝に導き、自身も最優秀選手賞に選ばれたという実績を持つ[27]。2015年11月13日のワールドカップアフリカ予選スワジランド戦にて、66分に交代で投入され、フル代表デビューを果たした[28]。2016年5月27日のマリ戦にて、フル代表での初ゴールを記録した[29]

ユース世代[編集]

2013 FIFA U-17ワールドカップへの出場をかけた、2013 アフリカ U-17チャンピオンシップに臨む代表メンバーに選出されると、決勝戦でコートジボワールにPK戦の末に敗北したものの、準優勝の成績を納め、U-17ワールドカップへの出場資格を得た[30]U-17ワールドカップにおいてナイジェリア代表は、総得点26得点という攻撃力を武器に優勝を勝ち取った。この大会において、6得点7アシストと、チームの総得点の半分を演出し、攻撃の要としてチームを牽引した[31]。その活躍からU-17ワールドカップでのゴールデンボール(大会MVP)、シルバーブーツ(得点ランキング2位)を同時受賞した[32]

2015 FIFA U-20ワールドカップにも出場したが、出場は2試合にとどまりチームはベスト16で敗北した[33]

人物・エピソード[編集]

  • 2016-17シーズンから、FAカップでは準々決勝から決勝の延長戦の場合に限り、四人目の選手交代を認められることになった[34]。2017年4月27日、FAカップ準決勝にあたるアーセナルFC戦では、延長戦後半からラヒーム・スターリングとの交代でピッチに投入され、FAカップ史上初の四人目に投入された交代選手となった[35][36]
  • 2018年1月16日、FAカップフリートウッド・タウンFC戦では、リヤド・マフレズのパスを受け、ゴールネットを揺らしたが線審は旗を挙げオフサイドの判定を下した。しかし、その後のビデオ判定にてオフサイドは無効となり正式にゴールと認められた。このゴールはイングランド史上初のビデオ判定で認められたゴールとなった[37]
  • 2020-21シーズン、5月18日のチェルシー戦でゴールを決め、同一シーズンの全曜日に開催されたリーグ戦ゴールを奪ったプレミア史上初の選手となった(新型コロナウイルスの影響での試合開催日程による影響あり。)[38]

個人成績[編集]

クラブ[編集]

2022年6月20日現在[39]
クラブ シーズン リーグ戦 カップ戦 リーグ杯 UCL UEL UECL その他 合計
リーグ 試合 得点 試合 得点 試合 得点 試合 得点 試合 得点 試合 得点 試合 得点 試合 得点
マンチェスター・シティFC 2015-16 プレミアリーグ 26 8 3 4 2 2 4 0 - - 0 0 35 14
2016-17 20 4 3 1 2 0 4 2 - - 0 0 29 7
合計 46 12 6 5 4 2 8 2 0 0 - 0 0 64 21
レスター・シティFC 2017-18 プレミアリーグ 21 3 5 4 2 1 - - - - 28 8
2018-19 30 1 1 0 4 1 - - - - 35 2
2019-20 20 5 2 1 4 4 - - - - 26 10
2020-21 25 12 6 4 1 0 - 7 3 - - 39 19
2021-22 26 4 1 1 3 1 - 4 0 8 1 1 1 43 8
2022-23 - - - - - - - -
合計 122 25 15 10 14 7 8 2 11 3 8 1 1 1 171 47
合計 168 37 21 15 18 9 8 2 11 3 8 1 1 1 235 68

代表[編集]

2022年6月20日現在[40]
代表国 出場 得点
 ナイジェリア 2015 1 0
2016 6 4
2017 7 4
2018 11 0
2019 4 1
2021 9 2
2022 5 1
通算 43 12

代表での得点[編集]

 #  日時 会場 対戦相手 スコア 最終結果[* 1] 大会
1. 2016年5月27日 フランスの旗 ルーアンスタデ・ロバート・ディオコーン  マリ
1-0
○1-0
親善試合
2. 2016年5月31日 ルクセンブルクの旗 ルクセンブルク市スタデ・ジョズィ・バーザル  ルクセンブルク
0-2
○1-3
3. 2016年9月3日 ナイジェリアの旗 ウヨアクワ・イボム・スタジアム  タンザニア
1-0
○1-0
アフリカネイションズカップ2017予選
4. 2016年10月9日 ザンビアの旗 ンドラレビィ・ムワナワサ・スタジアム  ザンビア
0-2
○1-2
2018 FIFAワールドカップ予選
5. 2017年3月23日 イングランドの旗 ロンドンザ・ハイブ・スタジアム  セネガル
1-1
▲1-1
親善試合
-. 2017年5月26日 コルス地域圏の旗 コルシカ島スタデ・フランコイズ・コティ  コルシカ島
1-1
▲1-1
親善試合(非FIFA加盟国)[41]
6. 2017年6月1日 フランスの旗 パリスタデ・ムニシパル・デ・サイント・レウ・ラ・フォレット  トーゴ
3-0
○3-0
親善試合
7. 2017年9月1日 ナイジェリアの旗 ウヨアクワ・イボム・スタジオアム  カメルーン
4-0
○4-0
2018 FIFAワールドカップ予選
8. 2017年11月15日 ロシアの旗 クラスノダールスタディオンFKクラスノダール  アルゼンチン
1-2
○4-2
親善試合
9. 2020年10月13日 オーストラリアの旗 ザンクト・ファイト・アン・デア・グランジャックレマンスアリーナ  チュニジア
1-0
○1-1
10. 2021年9月3日 ナイジェリアの旗 スルレレ・ラゴステスリム・バローガン・スタジアム  リベリア
1-0
○2-0
2022 FIFAワールドカップ・アフリカ予選
11.
2-0
12. 2022年1月11日 カメルーンの旗 ガルアスタッド・ルムデ・アジャ  エジプト
1-0
○1-0
アフリカネイションズカップ2021
  1. ^ 勝(○)、分(▲)、敗(●)

タイトル[編集]

クラブ[編集]

マンチェスター・シティFC
レスター・シティ

代表[編集]

ナイジェリアU-17

個人[編集]

  • FIFA U-17ワールドカップ 2013 ゴールデンボール[27]
  • FIFA U-17ワールドカップ 2013 シルバーブーツ[42]
  • CAF モスト・プロミシング・タレント・オブ・ザ・イアー: 2013[43] 2016[44]
  • CAF ベストイレブン(サブメンバー): 2016[44]
  • プレミアリーグ月間最優秀選手:2020-21 3月

出典[編集]

  1. ^ Kelechi Iheanacho”. Worldfootball.net. 2021年10月15日閲覧。
  2. ^ ポルト加入の可能性もあったイヘアナチョ 「シティで未来があるとは思わなかった」:Goal.com 2015年10月30日
  3. ^ Young Manchester City Striker Kelechi Iheanacho Training With Crew:The Columbus Dispatch 2014年9月3日
  4. ^ サッカーキング:U-17W杯MVP、マンC期待の18歳FWイヘアナチョが最終節でデビューかサッカーキング
  5. ^ Man City 2–0 Watford:BBC Sport 2015年8月29日
  6. ^ Crystal Palace 0–1 Man City:BBC Sport 2015年9月12日
  7. ^   シティが4得点快勝、イヘアナチョのハットトリックにペジェグリーニもご満悦:Goal.com 2016年1月31日
  8. ^ シティ、CL登録リストにイヘアナチョ 負傷中のナスリが外れる 成長著しいイヘアナチョがCLリスト入り:Goal.com 2016年2月5日
  9. ^ Iheanacho makes Champions League debut in Manchester City win:Goal.com 2016年2月24日
  10. ^ Manchester City 4-0 Stoke City:BBC Sport 2016年4月23日
  11. ^ Southampton 4-2 Manchester City:BBC Sport 2016年5月1日
  12. ^ シティー、マドリーとスコアレスで分ける:UAFA公式サイト 2016年4月26日
  13. ^ マドリー、シティーを退け決勝進出:UAFA公式サイト 2016年5月4日
  14. ^ Nigeria Wonderkid Iheanacho Named Deadliest Striker In The Premier League:All NIGERIAN soocer 2016年5月19日
  15. ^ Kelechi Iheanacho: Man City to block Nigeria striker from playing at Olympics:BBC 2016年7月4日
  16. ^ Kelechi Iheanacho signs new City deal:マンチェスターシティ公式サイト 2016年8月18日
  17. ^ Manchester United 1-2 Manchester City:BBC 2016年9月10日
  18. ^ Manchester City Confirm Iheanacho Is Their Youngest Player To Score In EPL:All NIGERIAN soocer 2016年9月11日
  19. ^ Manchester City 4-0 B M'gladbach:BBC 2016年9月14日
  20. ^ Manchester City 4-0 Bournemouth:BBC 2016年9月17日
  21. ^ Iheanacho joins select teenage club:プレミアリーグ公式サイト 2016年9月22日
  22. ^ Iheanacho ready to fight for place at Manchester City:BBC 2017年4月22日
  23. ^ Kelechi Iheanacho at a career crossroads at Manchester City:espnfc.com 2017年2月15日
  24. ^ Leicester City Sign Striker Kelechi Iheanacho Official Website of the Foxes 2017年8月4日
  25. ^ Arsenal 4–3 Leicester City:BBC 2017年8月11日
  26. ^ “Kelechi Iheanacho Pens New Leicester City Contract”. (2021年4月3日). https://www.lcfc.com/news/2081886/kelechi-iheanacho-pens-new-leicester-city-contract 2021年9月19日閲覧。 
  27. ^ a b c Kelechi IHEANACHO:FIFA.com
  28. ^ Swaziland 0-0 Nigeria:FIFA.com
  29. ^ Nigeria 1-0 Mali: Iheanacho ends Super Eagles' wretched run:Goal.com 2016年5月27日
  30. ^ 2013 African U-17 Championship:BBC
  31. ^ 将来のバロンドール候補か。U-17W杯で輝きを放ったタレントたち:フットボールチャンネル 2013年11月10日
  32. ^ FIFA 2013 U-17 World Cup Technical Study Group reports:FIFA.com
  33. ^ FIFA 2015 U-20 World Cup Technical Study Group reports:FIFA.com
  34. ^ FOURTH SUBSTITUTION TO BE INTRODUCED IN THE EMIRATES FA CUP:thefa.com 2016年7月26日
  35. ^ FA Cup: AET: Arsenal 2-1 Man City - Sanchez hits winner:BBC 2017年4月23日
  36. ^ Iheanacho makes history, says I won’t give up:vanguardngr.com 2017年4月24日
  37. ^ First VAR goal in English football scored by Kelechi Iheanacho:goal.com 2018年1月16日
  38. ^ イヘアナチョが珍記録を達成…“すべての曜日”で得点したプレミア史上初の選手に”. サッカーキング (2021年5月19日). 2021年6月4日閲覧。
  39. ^ Nigeria - K. Iheanacho - Profile with news, career statistics and history - Soccerway”. soccerway.com. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  40. ^ Kelechi Iheanacho”. national-football-teams.com. 2022年6月20日閲覧。
  41. ^ Corsica 1-1 Nigeria: Iheanacho strike saves Super Eagles from defeat:Goal.com 2017年5月26日
  42. ^ Accolades for Iheanacho and Nigeria:FIFA.com 2013年11月8日
  43. ^ Iheanacho adjudged Most Promising Talent:アフリカサッカー連盟公式サイト 2014年1月9日
  44. ^ a b RIYAD MAHREZ CROWNED AFRICA'S BEST PLAYER:africanfootball.com 2017年1月6日

外部リンク[編集]