グレン・クローズ
グレン・クローズ(Glenn Close, 1947年3月19日 - )は、アメリカ合衆国コネティカット州出身の女優である。アカデミー賞には8回ノミネートされ[1]、これまでエミー賞、トニー賞をそれぞれ3回受賞している演技派女優として知られる。
略歴
[編集]医師であった父ウィリアム・クローズ(William Close)の仕事の関係で、スイスやアフリカで育った。ウィリアム・アンド・メアリー大学で演劇を学び、数々の舞台に立つ。1974年から舞台女優としてキャリアをスタートさせる。1982年に映画デビュー作『ガープの世界』でアカデミー助演女優賞にノミネート。その後、『危険な情事』(1987年)で演じたストーカーなどの悪女役の印象が強いが、これまでトニー賞を3回受賞し、アカデミー賞には8回ノミネートされている。1997年にはウォルト・ディズニー製作の『101』でアクの強い悪女クルエラ・デ・ビルで、それまで演じたストーカーなどの悪女とは違ったユーモラスな演技を披露した。女優としての顔の他、ドキュメンタリー作品にもナレーターとして出演しており、声優としても『ターザン』では主人公を育てるメスゴリラのカーラの声で出演し、劇中歌で歌声も披露した。
ブロードウェイにおいては1984年に初のトニー賞を獲得して以来、舞台女優としてのキャリアも着々と築き上げて、1995年には『サンセット大通り』のミュージカル版においてノーマ・デズモンドを演じ3度目のトニー賞のミュージカル主演女優賞を獲得している。舞台ではオフ・ブロードウェイにも多数出演。テレビ界へも進出しており、現在よく知られているのは『ダメージ』の女弁護士、パティ・ヒューズ役である。その他人気テレビアニメ『ザ・シンプソンズ』では、メインキャラクターで一家の大黒柱、ホーマー・シンプソンの生き別れた母親役の声で数回ゲスト出演している。これまで数回来日したことがあるが2008年3月にテレビドラマ『ダメージ』のプロモーションのため、17年ぶりに再来日。NHK放送センターにて来日記者会見を開いた。
2012年、主演、共同脚本、プロデューサーを務めた『アルバート氏の人生』でもアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた[2]。
私生活
[編集]1969年にシンガーソングライターのカボット・ウェイドと結婚したが、1971年に離婚。
1984年にビジネスマンのジェームズ・マーラスと再婚したが、1987年に離婚。
2006年にバイオテクノロジー関連の企業社長と再婚したが[3]、2015年に離婚[4]。
3人の夫との間には子供は儲けていないが、恋人だったプロデューサーとの間に一女をもうけている[4]。
また、女優のメリル・ストリープとは公私ともに仲が良いらしく、彼女との共演作品もいくつかある。
主な出演作品
[編集]映画
[編集]公開年 | 邦題 原題 | 役名 | 備考 |
---|---|---|---|
1979 | アドベンチャー・トレイン/大草原を突っ走れ!夢と希望のアメリカ横断 Orphan Train | ジェシカ | テレビ映画 |
1982 | ガープの世界 The World According to Garp | ジェニー・フィールズ | |
1983 | 再会の時 The Big Chill | サラ・クーパー | |
1984 | アメリア Something About Amelia | ゲイル・ベネット | テレビ映画 |
ナチュラル The Natural | アイリス | ||
1985 | 白と黒のナイフ Jagged Edge | テディ・バーンズ | |
マキシー 素敵な幽霊 Maxie | ジャン/マキシー | ||
1987 | 危険な情事 Fatal Attraction | アレックス・フォレスト | |
1988 | 危険な関係 Dangerous Liaisons | メルトゥイユ侯爵夫人 | |
1989 | この愛の行方 Immediate Family | リンダ・スペクター | |
1990 | 運命の逆転 Reversal of Fortune | サニー | |
ハムレット Hamlet | ガートルード | ||
1991 | 潮風のサラ Sarah, Plain and Tall | サラ・ウィートン | テレビ映画 兼製作総指揮 |
ミーティング・ヴィーナス Meeting Venus | カリン・アンダーソン | ||
フック Hook | Gutless | カメオ出演 | |
1993 | 愛と精霊の家 The House of the Spirits | フェルラ・トルエバ | |
続・潮風のサラ Skylark | サラ・ウィッティング | テレビ映画 兼製作総指揮 | |
1994 | ザ・ペーパー The Paper | アリシア・クラーク | |
1995 | アーミー・エンジェル Serving in Silence: The Margarethe Cammermeyer Story | マーガレット・グレタ・カマメーメイヤー | テレビ映画 兼製作総指揮 |
1996 | ジキル&ハイド Mary Reilly | ファラデイ夫人 | |
101 101 Dalmatians | クルエラ・デ・ヴィル | ||
マーズ・アタック! Mars Attacks! | マーシャ・デイル | ||
1997 | エアフォース・ワン Air Force One | キャサリン・ベネット副大統領 | |
1999 | クッキー・フォーチュン Cookie's Fortune | カミール・ディクソン | |
ターザン Tarzan | カーラ | 声の出演 | |
潮風のサラ3 冬の終わり Sarah, Plain and Tall: Winter's End | サラ・ウィッティング | テレビ映画 兼製作総指揮 | |
2000 | 彼女を見ればわかること Things You Can Tell Just by Looking at Her | エレイン | |
102 102 Dalmatians | クルエラ・デ・ヴィル | ||
2003 | ヒヤシンス・ブルーの少女 Brush with Fate | コーネリア | テレビ映画 |
ル・ディヴォース/パリに恋して Le Divorce | オリヴィア・ペース | ||
THE LION IN WINTER 冬のライオン The Lion in Winter | アリエノール・ダキテーヌ | テレビ映画 | |
2004 | 強制尋問 Strip Search | カレン・ムーア | テレビ映画 |
ステップフォード・ワイフ The Stepford Wives | クレア・ウェリントン | ||
2005 | 美しい人 Nine Lives | マギー | |
ターザン2 Tarzan II | カーラ | ビデオ映画 声の出演 | |
2006 | リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!? Hoodwinked | パケットおばあさん | 声の出演 |
2007 | いつか眠りにつく前に Evening | ウィッテンボーン夫人 | |
2011 | アルバート氏の人生 Albert Nobbs | アルバート・ノッブス | 兼製作・脚本・主題歌 |
2012 | マリリン・モンロー 瞳の中の秘密 Love, Marilyn | 本人 | |
2014 | ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Guardians of the Galaxy | ノヴァ・プライム | |
5時から7時の恋人カンケイ 5 to 7 | アーリーン・ブルーム | ||
LOW DOWN ロウダウン Low Down | グラム | ||
2016 | ウォークラフト Warcraft | アローディ | クレジット無し |
ディストピア パンドラの少女 The Girl with All the Gifts | キャロライン・コールドウェル博士 | ||
2017 | セブン・シスターズ What Happened to Monday | ニコレット・ケイマン | |
ワンダフル!ウエディング 〜結婚できる人できない人〜 The Wilde Wedding | イブ・ワイルド | 兼製作総指揮 | |
アガサ・クリスティー ねじれた家 Crooked House | イーディス・デ・ハヴィランド | ||
2018 | 天才作家の妻 40年目の真実 The Wife | ジョーン・キャッスルマン | |
2020 | ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌 Hillbilly Elegy | マモーウ | Netflixで配信 |
フォー・グッド・デイズ Four Good Days | デブ | ||
2024 | バック・イン・アクション Back in Action | TBA | ポストプロダクション |
テレビシリーズ
[編集]公開年 | 邦題 原題 | 役名 | 備考 |
---|---|---|---|
1995-2014 | ザ・シンプソンズ The Simpsons | モナ・シンプソン / マザー・シンプソン | 計5話声の出演 |
2004 | ザ・ホワイトハウス The West Wing | エヴリン・ベイカー・ラング最高裁長官 | 第5シーズン第17話「最高裁長官」 |
2005 | ザ・シールド ルール無用の警察バッジ The Shield | モニカ・ローリング | 計13話出演 |
2007-2012 | ダメージ Damages | パティ・ヒューズ | 計59話出演 |
2022 | テヘランTehran | マルジャン・モンタゼミ |
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- ^ グレン・クローズ、哀れみのオスカーは欲しくない - Peachy - ライブドアニュース
- ^ “構想30年で『アルバート・ノッブス』の映画化を実現させたグレン・クローズ、「男役に扮する自分を初めて見たときは涙が出た」”. シネマトゥデイ. (2012年3月4日) 2012年12月10日閲覧。
- ^ “グレン・クローズ、結婚”. シネマトゥデイ. (2006年2月9日) 2012年12月10日閲覧。
- ^ a b “『危険な情事』グレン・クローズ、3度目の離婚”. シネマトゥデイ (2015年9月30日). 2015年9月30日閲覧。