クリス・ブライアント

クリス・ブライアント
Kris Bryant
コロラド・ロッキーズ #23
シカゴ・カブス時代
(2015年4月27日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ネバダ州ラスベガス・バレー
生年月日 (1992-01-04) 1992年1月4日(32歳)
身長
体重
6' 5" =約195.6 cm
230 lb =約104.3 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 三塁手外野手一塁手
プロ入り 2013年 MLBドラフト1巡目(全体2位)
初出場 2015年4月17日
年俸 $28,000,000(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

クリストファー・リー・ブライアントKristopher Lee Bryant, 1992年1月4日 - )は、 アメリカ合衆国ネバダ州ラスベガス・バレー出身のプロ野球選手内野手外野手)。右投右打。MLBコロラド・ロッキーズ所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

地元ラスベガス・バレーボナンザ高等学校英語版在籍時の4年間で、打率.418、長打率.958、103安打、47本塁打を記録した[2]2010年MLBドラフトにて18巡目(全体546位)でトロント・ブルージェイズから指名されたが、入団せずにサンディエゴ大学へ進学した[3]

大学時代、好成績を記録し2011年にはNCAA・ウェストコースト・カンファレンスの最優秀投手にマルコ・ゴンザレスと共に選出された[4]2013年にはその年の大学最優秀選手に贈られるゴールデンスパイク賞を受賞した[5]

プロ入りとカブス時代[編集]

同年のMLBドラフト1巡目(全体2位)でシカゴ・カブスから指名され、670万ドルの契約金で契約[6][7]。ショートシーズンA-級ボイシ・ホークスでプロデビューし、18試合に出場して打率.354・4本塁打を記録。8月12日にA+級デイトナ・カブスに昇格し[8]、16試合に出場して打率.333、5本塁打を記録した。

2014年はAA級テネシー・スモーキーズでプレーし、6月にサザンリーグのオールスターゲームのホームランダービーで優勝した[9]。6月18日にAAA級アイオワ・カブスに昇格し、68試合に出場して打率.355、22本塁打を記録[10]。この活躍からベースボール・アメリカ・マイナーリーグ年間最優秀選手賞USAトゥデイ・マイナーリーグ年間最優秀選手賞を受賞した[11][12]。同年、マイナーリーグ(AA級テネシーとAAA級アイオワ)では計138試合に出場し、打率.325、43本塁打、110打点という好成績を残し、打棒を発揮した。

2015年スプリングトレーニング中のオープン戦で14試合に出場して打率.425、9本塁打という好成績を残しながら、FA資格取得を遅らせたいという球団の意向からAAA級アイオワで開幕を迎えることになった[13]。開幕後、AAA級アイオワでは7試合に出場して打率.321、3本塁打、10打点の成績を残した。4月17日、メジャー初昇格を果たした[14]。デビュー戦となった同日のサンディエゴ・パドレス戦では「4番・三塁手」で先発起用されたが、ジェームズ・シールズを相手に初打席から3連続三振を喫するなど4打数無安打3三振と結果を残せなかった。翌18日の同カードで初安打と初打点を記録した。5月9日のミルウォーキー・ブルワーズ戦ではカイル・ローシュからMLB初本塁打を放った。また、5月は打率.265、7本塁打、22打点を記録し、ナ・リーグ月間最優秀新人を受賞した[15]オールスターゲームの投票では三塁手部門で3位だった[16]ものの、怪我で辞退したジャンカルロ・スタントンに代わって選出され、ホームランダービーにも出場した。8月には打率.330、7本塁打、20打点などを記録し、2度目となる月間最優秀新人を受賞した。9月6日、本拠地リグレー・フィールドで行われたアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦では、ルビー・デラロサからこの年のMLB最長となる495.3フィート(約151.0メートル)の本塁打を左中間に放った[17]。最終的に新人で両リーグ最多の31二塁打、26本塁打、99打点を記録し、サンフランシスコ・ジャイアンツマット・ダフィーらを抑えて、史上20人目となる満票での新人王を受賞した。また、26本塁打はビリー・ウィリアムズ(1961年)の25本塁打を上回り、99打点はウィリアムズ、ジオバニー・ソト(2008年)の86打点を上回り、それぞれ球団の新人記録を更新した。チームにとって7年ぶりとなったポストシーズンでは、9試合に出場し2本塁打、5打点を記録したが、打率.176、12三振と精彩を欠いた。

2016年6月27日のシンシナティ・レッズ戦、5打数5安打、6打点と活躍した。この日の5本の安打はすべて長打(3本塁打、2二塁打)であり、これは1900年以降では史上9人目の記録であった。前半戦をリーグトップの25本塁打、同3位の65打点として、ファン投票によって2年連続のオールスターゲーム選出となった。最終的に155試合に出場し、打率.292、39本塁打(リーグ3位)、102打点(同6位)、OPS.939(同4位)と昨年を上回る成績を記録した。10月26日にはハンク・アーロン賞を受賞した[18]。2年連続で迎えたポストシーズンは、サンフランシスコ・ジャイアンツとのディビジョンシリーズでは主力打者の多くが不振に陥る中にあって、打率.375、1本塁打、3打点と活躍。第3戦では2点ビハインドの9回無死一塁でセルジオ・ロモから試合を振り出しに戻す2ランを放った。ロサンゼルス・ドジャースとのリーグチャンピオンシップシリーズでは本塁打こそなかったが打率.304、3打点の成績を記録した。チームにとって71年ぶりとなったクリーブランド・インディアンスとのワールドシリーズでは第4戦まで打率.071と打撃不振に陥ったが、1勝3敗とインディアンスに王手をかけられて迎えた第5戦で1点ビハインドの4回にトレバー・バウアーから同点に追いつくソロ本塁打を放ち、続く第6戦でも1回にジョシュ・トムリンから先制のソロ本塁打を放った。ワールドシリーズでの成績は7試合の出場で打率.269、打点はこの本塁打による2点のみだった。チームは第5戦から3連勝で108年ぶりのワールドチャンピオンとなった。シーズンオフには投票権を持つ全米野球記者協会(BBWAA)の会員30人のうち29人から1位票を集め(残りの1人は2位票)、ナ・リーグのMVPに輝いた。新人王受賞の翌年にMVPを獲得したのは、カル・リプケン・ジュニアライアン・ハワードダスティン・ペドロイアに次ぐメジャー史上4人目の快挙だった[19]

2017年は151試合に出場し、打率.295、29本塁打、73打点、OPS.946(リーグ8位)などを記録、MVP投票では7位に入った。

2018年4月22日のコロラド・ロッキーズ戦でヘルマン・マルケスの投球を頭部に受けて退場し[20]、その後4試合を欠場した。5月9日のマイアミ・マーリンズ戦で通算100本塁打に到達。しかし、6月26日に左肩の炎症で初めて故障者リストに登録され[21]、その後16試合を欠場。7月26日には再び左肩の炎症で故障者リストに登録され[22]、35試合を欠場した。故障の影響で102試合の出場で規定打席にも到達せず、打率.272、13本塁打、52打点に留まった。

2019年はスロースタートで、初本塁打を放った4月25日時点で打率.232だった。5月から調子が上がり、月間10本塁打、サヨナラ弾や1試合3本塁打も記録した[23][24]。3年ぶりにオールスターゲームに選出された。9月15日には自身初のプレイヤー・オブ・ザ・ウィークを獲得。147試合に出場し、打率.282、31本塁打、77打点の成績を残した。しかし、守備面では守備率DRSがリーグワーストだった[25]

2021年7月4日に選手間投票で控え野手として通算4度目となるオールスターゲームに選出された[26]。7月13日に開催されたオールスターゲームでは6回表に左翼手で先発していたレッズのジェシー・ウィンカーに変わって守備に入って途中出場した[27]

ジャイアンツ時代[編集]

2021年7月30日にアレクサンダー・カナリオケイレブ・キリアンとのトレードで、サンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍した[28]。オフの11月3日にFAとなった。

ロッキーズ時代[編集]

2022年3月18日にコロラド・ロッキーズと7年総額1億8200万ドルの契約を結んだ[29]。オプションとして全球団に対するトレード拒否権が含まれる[30]

人物[編集]

同郷のブライス・ハーパーは、幼馴染にして親友。幼少期は対戦相手が多かったが、13歳時はチームメイトになった[31]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2015 CHC 151 650 559 87 154 31 5 26 273 99 13 4 0 5 77 0 9 199 7 .275 .369 .488 .858
2016 155 699 603 121 176 35 3 39 334 102 8 5 0 3 75 5 18 154 3 .292 .385 .554 .939
2017 151 665 549 111 162 38 4 29 295 73 7 5 0 6 95 5 15 128 8 .295 .409 .537 .946
2018 102 457 389 59 106 28 3 13 179 52 2 4 0 3 48 6 17 107 5 .272 .374 .460 .834
2019 147 634 543 108 153 35 1 31 283 77 4 0 0 2 74 1 15 145 10 .282 .382 .521 .903
2020 34 147 131 20 27 5 1 4 46 11 0 0 0 0 12 0 4 40 1 .206 .293 .351 .644
2021 93 374 326 58 87 19 2 18 164 51 4 2 0 1 39 1 8 89 6 .267 .358 .503 .861
SF 51 212 187 28 49 13 0 7 83 22 6 0 0 1 23 3 1 46 3 .262 .344 .444 .788
'21計 144 586 513 86 136 32 2 25 247 73 10 0 0 2 62 4 9 135 10 .265 .353 .481 .834
2022 COL 42 181 160 28 49 12 0 5 76 14 0 0 0 2 17 0 2 27 7 .306 .376 .475 .851
2023 80 335 300 36 70 10 0 10 110 31 0 0 0 0 29 0 6 68 6 .233 .313 .367 .680
MLB:9年 1006 4354 3747 656 1033 226 19 182 1843 532 44 20 0 23 489 21 95 1003 56 .276 .371 .492 .863
  • 2023年度シーズン終了時[32]
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別打撃成績所属リーグ内順位[編集]























2015 24 ナ・リーグ - - - - - 6位 - -
2016 25 - 10位 - - 3位 6位 - 9位
2017 26 - - 6位 - - - - 4位
2018 27 - - - - - - - -
2019 28 - - - - - - - 9位
2020 29 - - - - - - - -
2021 30 - - - - - - - -
2022 31 - - - - - - - -
2023 32 - - - - - - - -
  • -は10位未満(打率は規定打席未到達の場合も-と表記)

年度別守備成績[編集]

内野守備


一塁(1B) 三塁(3B) 遊撃(SS)




































2015 CHC 1 2 1 0 0 1.000 144 81 249 17 21 .951 -
2016 9 35 3 0 3 1.000 107 58 187 12 18 .953 1 0 0 0 0 ----
2017 2 12 3 0 0 1.000 144 72 260 18 23 .949 -
2018 4 11 2 0 0 1.000 86 53 158 10 12 .955 -
2019 3 21 1 0 1 1.000 115 48 186 13 15 .947 -
2020 1 10 0 0 1 1.000 27 15 44 4 4 .937 -
2021 12 83 7 1 6 .989 29 15 38 2 7 .964 1 0 1 0 0 1.000
SF - 26 14 38 4 6 .929 -
'21計 12 83 7 1 6 .989 55 29 76 6 13 .946 1 0 1 0 0 1.000
2023 COL 7 43 4 0 6 1.000 - -
MLB 39 217 21 1 17 .996 678 356 1160 80 106 .950 2 0 1 0 0 1.000
外野守備


左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)




































2015 CHC 8 5 0 0 0 1.000 7 2 1 0 0 1.000 7 13 0 0 0 1.000
2016 60 69 3 1 0 .986 1 1 0 0 0 1.000 14 13 0 0 0 1.000
2017 2 0 0 0 0 ---- 2 2 0 0 0 1.000 7 16 0 0 0 1.000
2018 14 18 0 2 0 .857 - 15 23 0 1 0 .958
2019 23 18 0 0 0 1.000 - 27 32 1 2 0 .943
2020 4 5 1 0 0 1.000 - -
2021 29 29 1 1 0 .968 14 20 1 0 0 1.000 28 42 0 0 0 1.000
SF 19 25 2 0 1 1.000 5 5 0 0 0 1.000 11 12 0 1 0 .923
'21計 48 54 3 1 1 .983 19 25 1 0 0 1.000 39 54 0 1 0 .982
2022 COL 30 42 0 2 0 .955 - -
2023 1 2 0 0 0 1.000 - 46 87 2 3 0 .967
MLB 190 213 7 7 1 .969 29 30 2 0 0 1.000 155 238 3 7 0 .972
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰[編集]

記録[編集]

MiLB
MLB

背番号[編集]

  • 17(2015年 - 2021年途中)
  • 23(2021年途中 - )

脚注[編集]

  1. ^ Kris Bryant Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2023年1月7日閲覧。
  2. ^ Brewer, Ray (2010年3月6日). “All eyes on Bonanza slugger Kris Bryant, a likely first-round draft pick - Las Vegas Sun News”. Lasvegassun.com. 2013年4月20日閲覧。
  3. ^ Ex-Bonanza star improves his baseball stock as collegian”. Lasvegassun.com. 2013年4月20日閲覧。
  4. ^ Times. “In brief: Gonzales, Carpenter lead way for Zags on WCC team - Spokesman.com - June 2, 2011”. Spokesman.com. 2013年6月2日閲覧。
  5. ^ San Diego’s Bryant wins 36th Golden Spikes Award as nation’s best player”. USA Baseball. NCAA.com (2013年7月20日). 2013年8月11日閲覧。
  6. ^ Future 50: Appel No. 1”. Insider.espn.go.com (2013年3月14日). 2013年4月20日閲覧。
  7. ^ Law, Keith. “Thurman, Bryant both first-rounders”. Insider.espn.go.com. 2013年4月20日閲覧。
  8. ^ Rogers, Jesse. “Kris Bryant promoted to Single-A Daytona - Chicago Cubs Blog - ESPN Chicago”. Espn.go.com. 2013年8月13日閲覧。
  9. ^ Bryant slugs way to Double-A Home Run Derby crown
  10. ^ Cubs' prospect Bryant promoted to Iowa
  11. ^ Miller, Bryce (2014年9月3日). “Electrifying Cubs prospect Kris Bryant earns player of year honor”. USA Today. 2014年9月3日閲覧。
  12. ^ Cooper, J.J. (2014年9月9日). “2014 Minor League Player Of The Year: Kris Bryant”. Baseball America. 2014年9月9日閲覧。
  13. ^ カブス大物新人が開幕登録外れた真相は…”. スポーツニッポン (2015年4月26日). 2015年6月28日閲覧。
  14. ^ Rogers, Jesse (2015年4月16日). “Cubs to promote 3B Kris Bryant, 23, for major league debut”. ESPN.com. 2015年6月28日閲覧。
  15. ^ ナショナルズ勢2人が5月MVP 同一球団独占は7年ぶり”. スポーツニッポン (2015年6月5日). 2015年6月28日閲覧。
  16. ^ 2015 MLB All Star Game Voting Update: Leaders, Snubs, Ballots & Results for AL and NL Rosters”. Latin Post (2015年7月2日). 2015年12月19日閲覧。
  17. ^ Watch NL Rookie of the Year Kris Bryant club a 495-foot homer”. USA Today (2015年11月16日). 2015年12月19日閲覧。
  18. ^ Eric, Stephen (2016年10月26日). “David Ortiz, Kris Bryant win 2016 Hank Aaron Awards - SBNation.com” (英語). SBNation.com. http://www.sbnation.com/2016/10/26/13429724/david-ortiz-kris-bryant-2016-hank-aaron-awards-mlb 2016年11月5日閲覧。 
  19. ^ 大リーグ、ブライアントがMVP アはトラウトが2度目受賞”. デイリースポーツ (2016年11月18日). 2016年11月18日閲覧。
  20. ^ カブスのブライアント、頭部に死球も大事に至らず”. 日刊スポーツ (2018年4月24日). 2018年12月2日閲覧。
  21. ^ カブスのブライアントDLに=米大リーグ”. 時事通信社 (2018年6月27日). 2018年12月2日閲覧。
  22. ^ カブス・ブライアントDL ダルビッシュ復帰間近か”. 日刊スポーツ (2018年7月27日). 2018年12月2日閲覧。
  23. ^ Bryant goes boom: Slugger delivers walk-off HR”. MLB.com. 2019年12月15日閲覧。
  24. ^ 3 homers, 3 innings: Historic night for Kris Bryant”. MLB.com. 2019年12月15日閲覧。
  25. ^ National League Leaderboards » 2019 » Third Basemen » Fielding Statistics | FanGraphs Baseball”. www.fangraphs.com. 2019年12月15日閲覧。
  26. ^ Sarah Langs, Thomas Harrigan (2021年7月11日). “Your 2021 MLB All-Stars by position” (英語). MLB.com. July 13, 2021閲覧。
  27. ^ Jordan Bastian (2021年7月14日). “Bryant 'proud' to represent Cubs at ASG” (英語). MLB.com. 2021年8月3日閲覧。
  28. ^ Giants To Acquire Kris Bryant” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年7月30日閲覧。
  29. ^ Press release: Colorado Rockies agree to terms with Kris Bryant”. www.mlb.com. 2022年3月18日閲覧。
  30. ^ Rockies Sign Kris Bryant” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年3月18日閲覧。
  31. ^ Kris Bryant, Bryce Harper have crossed paths before”. ESPN.com. 2021年11月23日閲覧。
  32. ^ Kris Bryant Statistics and History - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年10月6日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]