ギョリュウ
ギョリュウ | ||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||||||||
Tamarix chinensis Lour.[1] | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ギョリュウ(御柳)[2] | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Chinese tamarisk[3] |
ギョリュウ(御柳[2]、学名:Tamarix chinensis[3][2][4])はギョリュウ科の落葉小高木[4]。モンゴルから中国北部にかけての乾燥地域が原産地で[3]、日本には江戸時代中期に伝わった[3][2][4]。
名称[編集]
ギョリュウ属の学名はタマリクス(Tamarix)であるが[5][6]、日本では英語名の[5]タマリスク(Tamarisk)でも呼ばれる[5][3][2]。和名では別名としてサツキギョリュウが挙げられる[1][2]。中国名(漢名)は檉柳(ていりゅう)[7][8][9]で、三春柳[9]、紅柳[9]などの別名でも呼ばれる。
本種の標準名は Tamarix chinensis とされる[1]。Tamarix tenuissima Nakai[10]や Tamarix juniperina Bunge[11] はシノニムであるとする見解があるが、Tamarix chinensis と Tamarix tenuissima を別種とする見解もある[12][13]。
特徴[編集]
ギョリュウ属は、地中海周辺からアジアにかけての乾燥地帯に分布し、75種ほどに分かれている[3]。水湿地でよく育つ種であるが、乾燥地でも育ち[2]、塩分や寒さにも強い[3]。
葉は小さい鱗片状で針葉樹のように見える。春と秋に枝先に桃色の1mmほどの小さい花をたくさん咲かせる。果実は長さ数mmの蒴果で、種子は細かく房状の毛が生え風で飛ぶ。砂漠など乾燥地でも根を長く伸ばして水分を強く吸収する。
- アルジェリアの乾燥地帯に見られるギョリュウ属の樹木
- ギリシャの海岸に見られるギョリュウ属の樹木
- 中国・雲南省の公園に植栽されたギョリュウ
- 中国・大連に見られるギョリュウ (Tamarix chinensis) の花
人間との関わり[編集]
花や樹冠の美しさから観賞用とされ、切花とされたり庭園樹として栽植されたりする[3][2]。塩分に強いことから海岸の防風林として用いられたり[3]、乾燥にも耐えることから砂漠地帯での防砂や緑化に用いられたりする[5]。
ギョリュウ属の材は硬いことから古代エジプトではチャリオットの本体部分などに使われていた[14]。
また、薬用として利尿・解毒や風邪に効果があるとされる[3]。
脚注[編集]
- ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Tamarix chinensis Lour. ギョリュウ 標準”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年4月5日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 小林義雄. “ギョリュウ”. 日本大百科全書(ニッポニカ). 2024年4月5日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “ギョリュウ”. 改訂新版 世界大百科事典. 2024年4月5日閲覧。
- ^ a b c “ギョリュウ”. ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. 2024年4月5日閲覧。
- ^ a b c d 山中典和「コラム 緑化植物 ど・こ・ま・で・き・わ・め・る タマリスク類(Tamarix spp.)」『日本緑化工学会誌』第30巻第3号、日本緑化工学会、2005年2月、2024年4月4日閲覧。
- ^ “タマリクス・ラモシッシマ”. 侵入生物データベース. 国立環境研究所. 2024年4月4日閲覧。
- ^ “檉柳”. 精選版 日本国語大辞典. 2024年4月5日閲覧。
- ^ “御柳”. 精選版 日本国語大辞典. 2024年4月5日閲覧。
- ^ a b c 嶋田英誠. “ぎょりゅう (御柳)”. 跡見群芳譜. 2024年4月5日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Tamarix tenuissima Nakai ギョリュウ synonym”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年4月5日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Tamarix juniperina Bunge ギョリュウ synonym”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年4月5日閲覧。
- ^ “Tamarix chinensis Lour.”. Plants of the World Online. キューガーデン. 2024年4月5日閲覧。
- ^ “Tamarix tenuissima Nakai”. Plants of the World Online. キューガーデン. 2024年4月5日閲覧。
- ^ 古代エジプト人、痛恨のミス 日本の科学がツタンカーメンに挑む|中東解体新書| - NHK
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- Tamarix tenuissima Nakai - 北海道大学・露崎史朗研究室
- Tamarix chinensis Lour. - キューガーデン Plants of the World Online
- Tamarix tenuissima Nakai - キューガーデン Plants of the World Online