カルトヴェリ語族

カルトヴェリ語族
ქართველური
話される地域コーカサス南西部,
アナトリア北東部
言語系統語族の一つ
下位言語
ISO 639-5ccs
Glottologkart1248[1]

カルトヴェリ語族 (グルジア語: ქართველური ენები) は、ジョージア国内で話されているグルジア語メグレル語スヴァン語、主にトルコ国内で話されているラズ語の4つの言語から成る。南コーカサス語族ともいう。

チェチェン語などを含む北東コーカサス語族(ナフ・ダゲスタン語族)、アブハズ語などを含む北西コーカサス語族(アブハズ・アディゲ語族)とともに、しばしばコーカサス諸語とまとめられるが、南コーカサス語族と他の2つの語族とのあいだの系統関係は実証されていない。

下位言語[編集]

概説[編集]

メグレル語とラズ語は比較的近い関係にあり、両者をまとめてザン語派、あるいはザン語(Zan)と呼ぶ。4つの言語のうち、グルジア語だけが1500年以上の文字言語としての伝統を持ち、話者の数ももっとも多い。グルジア語は、ほぼすべてのメグレル語とスヴァン語の話者、一部のラズ語の話者にとっての文章語でもある。スヴァン語は約3万人の話者を持つが、消滅が危惧されている。

歴史的な分岐の順番とその時期について、次のような推定がなされている。紀元前1000年ごろまでにまずスヴァン語が祖語から分かれ出た。その後、グルジア語が、紀元前後ごろにザン語派(メグレル語・ラズ語)と分かれた。メグレル語とラズ語が分かれたのは約1200年前と考えられる。

4つの言語に共通する特徴として、放出音の存在、能格を含む10弱のの区別、動詞主語のみならず直接目的語間接目的語人称も標示することなどが挙げられる。子音母音の組織はほぼ同じであるが、スヴァン語のいくつかの方言は多くの母音を区別する。現代のラズ語にはトルコ語の影響が強く認められる。

脚注[編集]

  1. ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Kartvelian”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. http://glottolog.org/resource/languoid/id/kart1248 

参考文献[編集]

  • Hammarström, Harald & Forkel, Robert & Haspelmath, Martin. 2019., Glottolog 4.0., Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History., (Available online at http://glottolog.org, Accessed on 2019-09-23.)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]