オレンジ (楽器メーカー)

特徴的な外装のオレンジアンプとスピーカーキャビネット

オレンジ (Orange Music Electronic Company) はイギリスエレクトリックギター用、PA用アンプの製造会社。特徴的な、明るいオレンジの素材でキャビネットを覆っていることで有名。

歴史[編集]

オレンジは1968年ロンドンでクリフォード・クーパーにより設立された。オレンジアンプとPAはここで製造された。当初はレコーディングスタジオとして始まり、ジョー・ミーク (Joe Meek)が彼のバンド「ミリオネアーズ」で使用したIBCミキシングコンソールを特徴としていた。

1968年秋、クリフはハッダーズフィールドに拠点を置くマタンプ(創設者マット・マティアスの名に因む社名)に、クリフのデザインによるオレンジ用100W級真空管アンプを発注。アメリカの工場は米国市場向けのスピーカーキャビネットだけを製造し、真空管アンプはイングランド製である。

オレンジアンプは当初ギター用スピーカーキャビネットに合うよう、中/小出力のアンプヘッドであった。最も有名なアンプはOR120で、これは文字のかわりに各コントロールの説明を図案で示していたため、「グラフィック」モデルと呼ばれた。後のOD120にはマスターボリュームを付けた「オーバードライブモデル」もある。多くのアンプはイギリスのメーカー マーシャルハイワットでの使用で有名な「EL34」真空管を使った出力回路に基づいており、これはアンプヘッドとスピーカーキャビネットの分離した形式で利用可能である。

1970年代、ミキサー部はトランジスタ、パワー部は真空管というハイブリッドPAも製造。近年は、ベースアンプや他のオーディオアンプと同様の、スピーカーとアンプが一体になったコンボアンプも製造している。

1990年代後半から2000年代前半、AD15/12やAD30といった全真空管アンプで大成功を収めた。A級回路で単一スピーカー、15W出力のAD15/12は現在生産されておらず、強く求められている。近年にはAD30を独立2チャンネル化したAD30TCモデルが発売されているが、依然として大きなコントロールノブを持つ、シングルチャンネルのモデルを探し求めるユーザーも多い。

オレンジは2001年にトランジスタ回路のクラッシュシリーズを発表、2004年には新たなロッカーシリーズを発表した。このシリーズは5つの異なるモデルからなる。ロッカー30は増幅管を2本使用したA級回路で伝統的ブリティッシュ・ロックサウンドを実現。1x12サイズのコンボで入手できる唯一のアンプである。ロッカーヴァーブは同様の回路だが、追加のゲイン部を追加し、より今日的サウンドになっている。両方リバーブ付きである。ロッカーヴァーブは50Wヘッド(6V6増幅管x4)と100Wヘッド(EL34増幅管x4だが、6L5や6550に変更可能)が用意されている。2006年、新たな2機種を発表。使いやすさと高音質、低価格で人気を博した、小さく持ち運び可能なタイニー・テラーと、200W(6550増幅管x6)、内蔵アッテネーターを備え、より現代的用途に向けたサンダーヴァーブ200である。後者は50W出力のサンダーヴァーブ50という小型のタイプも用意された。

著名なユーザー[編集]

アンプの現行機種[編集]

サンダーヴァーブ200 (Thunderverb 200)
全真空管のギター及びベースアンプヘッド。
タイニーテラー (Tiny Terror)
15W/7Wのコンパクトな真空管ギターアンプヘッド
ロッカーシリーズ (Rocker Series)
  • ロッカーヴァーブ100 ヘッド
  • ロッカーヴァーブ50 ヘッド
  • ロッカー30 ヘッド
  • ロッカーヴァーブ50 コンボ
  • ロッカー30 コンボ
ADシリーズ
  • AD140ツインチャンネル ヘッド
  • AD30ツインチャンネル ヘッド
  • AD30リヴァーブ コンボ
  • AD30ツインチャンネル コンボ
  • AD5シングルチャンネル コンボ
スピーカーキャビネット
オレンジのキャビネットは、アメリカ合衆国向けはアメリカで製造されている。
  • 1 x 12 - セレッションG12ヴィンテージ30 (60W)
  • 1 x 12 - セレッションG12K-100 (100W)
  • 2 x 12 - セレッションG12ヴィンテージ30 (120W)
  • 4 x 12 - セレッションG12ヴィンテージ30 (240W)
  • 4 x 12 HP - セレッションG12K-100 (400W)
  • 4 x 12 AD (アンディ・ダンロップシグネチュア) - セレッションG12ヴィンテージ30 (240)
クラッシュシリーズ (Crush Series)
トランジスタの練習用コンボ。他の製品ラインとは違い、イングランドでは製造していない(2007年の時点では、韓国国内で製造されていた)。
  • クラッシュ10
  • クラッシュ15
  • クラッシュ15リヴァーブ
  • クラッシュ30リヴァーブ
  • マイクロ・クラッシュ
  • クラッシュ20ベース
  • クラッシュ35ベース
ベース・レンジ
  • AD200Bヘッド
  • 4 x 10 スピーカーキャビネット
  • 1 x 15 スピーカーキャビネット

オレンジ・カスタムショップ[編集]

オレンジ・カスタムショップはハンドワイアードの真空管アンプを設計・製造している。

  • レトロ50 ヘッド
  • AD50 ヘッド

外部リンク[編集]