エバン・ロンゴリア

エバン・ロンゴリア
Evan Longoria
サンフランシスコ・ジャイアンツ時代
(2018年5月7日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 カリフォルニア州ダウニー
生年月日 (1985-10-07) 1985年10月7日(38歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
215 lb =約97.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 三塁手
プロ入り 2006年 MLBドラフト1巡目(全体3位)
初出場 2008年4月12日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
WBC 2009年

エバン・マイケル・ロンゴリアEvan Michael Longoria, 1985年10月7日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ダウニー出身のプロ野球選手三塁手)。右投右打。フリーエージェント(FA)。愛称は姓を略したロンゴLongo[1]

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

1985年10月7日にカリフォルニア州ダウニーで生まれる。子供のころ憧れていた選手はアレックス・ロドリゲスだった[2]。高校はセントジョン・ボスコ高等学校へ、大学はリオ・ホンドコミュニティーカレッジへ進学した。1年生の時に素質が開花し、2年生からはカリフォルニア州立大学ロングビーチ校へ特待生として編入[3]トロイ・トゥロウィツキー遊撃手にいたため三塁手コンバートした[2]2005年にはMVPを獲得[4]

プロ入りとレイズ時代[編集]

タンパベイ・デビルレイズはロンゴリアをカール・クロフォードB.J.アップトンに次ぐ存在になると判断し[2]2006年MLBドラフト1巡目(全体3番目)で指名。

2007年は、2Aで105試合で打率.307、21本塁打の記録を残し、3Aのダラム・ブルズまで順調に昇格した。マイナーでは主に三塁手を務めており、ロンゴリアが期待通り成長したことにより、ポジションを空ける為に2007年までレイズの正三塁手だった岩村明憲がセカンドへコンバートされた[3]

タンパベイ・レイズ時代
(2008年9月22日)

2008年開幕時はマイナーで迎えたものの4月12日にそれまで三塁手を務めていたウィリー・アイバーの故障に伴いメジャー初昇格を果たした。昇格した当日のボルチモア・オリオールズ戦で三塁手として先発出場し、メジャーデビュー。3打数1安打、1四球という内容だった。4月14日のニューヨーク・ヤンキース戦ではブライアン・ブルーニーからメジャー初本塁打を放った。レイズはその素質を高く評価し、4月18日に2013年までの6年総額1750万ドル、3年のオプションを含めると9年総額4400万ドル超で契約延長をした[5][6]オールスター選出選手の発表後、大リーグ公式サイト上で "32番目の男" を決める最終投票が開始され、ロンゴリアはジャーメイン・ダイを破り、オールスター初選出を果たした[7]。チームの5番打者に定着。死球による怪我で一時離脱したが、復帰後は4番を任され、レイズは球団初の地区優勝を果たした。シーズン終了後、アメリカンリーグの三塁手としては4人目の新人王を受賞した。満票での選出は1997年のノマー・ガルシアパーラ以来、MLB史上7人目となった[8]

2009年はシーズン開幕前に開催された第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)アメリカ合衆国代表には当初落選していたが、負傷したチッパー・ジョーンズの代役として追加招集された。日本戦の8回表に代打で出場したが、空振り三振に終わった。

シーズンでは、4月のプレイヤー・オブ・ザ・マンスを受賞し、その間に2度のプレイヤー・オブ・ザ・ウィークを受賞している[9]オールスターゲームの投票では、三塁手としてリーグ最多の票を集めての選出となったが[10]、右手薬指の感染症のため試合を欠場した[11]。157試合の出場で打率.281、33本塁打、113打点を記録した。オフにはゴールドグラブ賞シルバースラッガー賞を受賞した。

2010年は、シーズン前半が終了した時点で3割を超える打率と61打点を記録[12]。この活躍から、2年連続でヤンキースのアレックス・ロドリゲスに100万票以上の大差をつけ、オールスターゲームにファン投票で選出された[12]。シーズン通じては、9月に大腿四頭筋を痛めた影響から故障者リストに入ったが[12]、打率.294、22本塁打、104打点という成績を記録。本塁打は自己最低の数字に終わったが、安打・二塁打・三塁打・四球・盗塁・出塁率など、多くの部門で自己ベストの数字を叩き出した。また、チームリーダーとして6月27日に怠慢なプレイを見せた年上のB.J.アップトンに物申し、高い評価を得た[12]。3年目のこの年、初めて盗塁死を記録した。

2011年はBABIPが前年より1割近く低い.239だったこともあり、打率は自己最低の.244だった。しかし、四球率は過去最高、三振率は過去最低と打撃の内容自体は優れていた。シーズン最終戦のヤンキース戦ではサヨナラ本塁打を放ち、ボストン・レッドソックスを大逆転で交わしてのワイルドカード獲得を決めた。

2012年は前年同様、主砲として出場していたが、4月30日に二塁にスライディングした際に、右ハムストリングを壊し、全治6週間から8週間の重症をおい、60日間のDL入りとなった。その結果74試合の出場に留まった。しかし、球団はロンゴリアの存在を不可欠の物と捉え、11月26日に2017年シーズンから2022年まで6年総額1億ドルで契約を延長した[13]。オプションとして2023年シーズンの選択権を球団側が所持し、バイアウトの際には500万ドル支払われる。

2013年は復活し、自己最多の160試合に出場。打率.269、32本塁打(自身3度目の30本以上)、88打点、1盗塁という成績を残した。一方で自己ワーストとなる162三振(リーグワースト6位)を喫した。

タンパベイ・レイズ時代
(2014年4月14日)

2014年は全162試合にフル出場した。打率.253、22本塁打、91打点(3年ぶりの90打点以上)、5盗塁という成績を記録したが、長打と四球が減少した事で長打率及び出塁率も低下。OPSが0.800に届かなかったのは、規定打席到達/未達にかかわらず、ロンゴリアにとって初めての事であった。オフの11月7日に日米野球2014のMLB選抜に選出された[14]。同月11日の対阪神巨人連合戦では5回表に江柄子裕樹から満塁本塁打を記録した[15]

2015年9月2日のボルチモア・オリオールズ戦、通算200本塁打を達成した(同じ日にライアン・ジマーマンも同じ記録を達成)。最終的には3年連続160試合以上に出場したが、本塁打と打点は前年から更に低下し、それぞれ20本塁打と70打点をクリアするのがやっとだった。

2016年は160試合に出場し、BB/Kの値は自己最低ながらもキャリアハイとなる36本塁打を記録。二塁打も6年ぶりに40本をクリアした。2015年にかけて打撃成績が低下傾向にあり、主砲としての役割低下が懸念されていた[16]が、汚名返上した恰好となった。

2017年8月1日のアストロズ戦でB.J.アップトンに次いで球団史上2人目のサイクル安打を達成した[17]。オフにゴールドグラブ賞を7年ぶりに受賞した。

ジャイアンツ時代[編集]

2017年12月20日にデナード・スパンクリスチャン・アローヨスティーブン・ウッズマット・クルックとのトレードで、金銭1450万ドルとともにサンフランシスコ・ジャイアンツに移籍した[18]。レイズと残り5年総額8697万ドルを残していたが、ジャイアンツ側が7150万ドル肩代わりすることで合意された。

2018年6月14日のマイアミ・マーリンズ戦でダン・ストレイリーから死球を受け、左の第5中手骨英語版を骨折[19]し、その後1ヶ月余り(34試合)を欠場した。この年は主に打順3番や5番として125試合に出場し、打率.244、16本塁打(チーム1位)、54打点(同2位タイ)、OPS.694と自身ワーストの成績に終わった。

2019年は129試合に出場し、打率.254、20本塁打、69打点だった。

2022年オフにチームオプションを破棄され、フリーエージェント(FA)となった[20]

ダイヤモンドバックス時代[編集]

2023年1月5日にアリゾナ・ダイヤモンドバックスと400万ドルの単年契約を結んだ[21][22]。 オフの11月3日にFAとなった[23]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2008 TB 122 508 448 67 122 31 2 27 238 85 7 0 0 8 46 4 6 122 8 .272 .343 .531 .874
2009 157 671 584 100 164 44 0 33 307 113 9 0 0 7 72 11 8 140 27 .281 .364 .526 .889
2010 151 661 574 96 169 46 5 22 291 104 15 5 0 10 72 12 5 124 15 .294 .372 .507 .879
2011 133 574 483 78 118 26 1 31 239 99 3 2 0 5 80 6 6 93 11 .244 .355 .495 .850
2012 74 312 273 39 79 14 0 17 144 55 2 3 0 3 33 6 3 61 14 .289 .369 .527 .896
2013 160 693 614 91 165 39 3 32 306 88 1 0 0 6 70 10 3 162 16 .269 .343 .498 .842
2014 162 700 624 83 158 26 1 22 252 91 5 0 1 9 57 11 9 133 15 .253 .320 .404 .724
2015 160 670 604 74 163 35 1 21 263 73 3 1 0 9 51 8 6 132 11 .270 .328 .435 .768
2016 160 685 633 81 173 41 4 36 330 98 0 3 0 7 42 6 3 144 13 .273 .318 .521 .840
2017 156 677 613 71 160 36 2 20 260 86 6 1 0 12 46 3 6 109 18 .261 .313 .424 .737
2018 SF 125 512 480 51 117 25 4 16 198 54 3 1 0 5 22 3 5 101 11 .244 .281 .413 .694
2019 129 508 453 59 115 19 2 20 198 69 3 1 0 5 43 1 7 112 14 .254 .325 .437 .762
2020 53 209 193 26 49 10 1 7 82 28 0 1 0 3 11 0 2 39 10 .254 .297 .425 .722
2021 81 291 253 45 66 17 0 13 122 46 1 1 0 2 35 4 1 68 9 .261 .351 .482 .833
2022 89 298 266 31 65 13 0 14 120 42 0 0 0 3 27 2 2 83 6 .244 .315 .451 .767
2023 ARI 74 237 211 25 47 9 0 11 89 28 0 0 0 3 23 0 0 73 8 .223 .295 .422 .717
MLB:16年 1986 8206 7306 1017 1930 431 26 342 3439 1159 58 19 1 97 730 87 72 1696 206 .264 .333 .471 .804
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

WBCでの打撃成績[編集]















































2009[24] アメリカ合衆国 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000

年度別守備成績[編集]



三塁(3B) 遊撃(SS)
























2008 TB 119 86 230 12 26 .963 1 0 1 0 0 1.000
2009 151 112 302 13 43 .970 -
2010 151 127 276 14 46 .966 -
2011 130 124 229 14 35 .962 -
2012 50 37 81 8 7 .937 -
2013 147 96 279 11 27 .972 -
2014 155 121 262 13 27 .967 -
2015 148 109 259 9 29 .976 -
2016 152 103 254 9 30 .975 -
2017 142 96 267 12 33 .968 -
2018 SF 123 72 213 15 25 .950 -
2019 119 69 233 15 27 .953 -
2020 52 41 84 2 9 .984 -
2021 78 47 139 5 11 .974 -
2022 68 40 129 6 11 .966 -
2023 ARI 41 25 60 2 4 .977 -
MLB 1826 1305 3297 160 390 .966 1 0 1 0 0 1.000
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高
  • 各年度の太字年ゴールドグラブ賞受賞年

表彰[編集]

記録[編集]

背番号[編集]

  • 3(2008年 - 2017年)
  • 10(2018年 - 2023年)

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Rays Players Weekend nicknames explained” (英語). MLB.com (2017年8月27日). 2017年12月21日閲覧。
  2. ^ a b c Michael Silverman著 木村愛 訳「エバン・ロンゴリア [レイズ] 超大物新人現る!」『スラッガー』2008年7月号、日本スポーツ企画出版社、2008年、雑誌15509-7、58 - 59頁
  3. ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2008』廣済堂出版、2008年、110頁。ISBN 978-4-331-51300-2 
  4. ^ MLB公式プロフィール参照。2017年12月21日閲覧。
  5. ^ Longoria's deal with Rays could be worth up to $44 million”. AP通信. 2008年4月18日閲覧。
  6. ^ Bill Chastain (2008年4月18日). “Rays sign Longoria to multiyear contract 'Humbled' rookie's nine-year deal is longest in club history”. MLB.com. 2017年12月21日閲覧。
  7. ^ Mark Newman (2008年7月10日). “Longoria, Hart are fans' final All-Stars” (英語). MLB.com. 2010年5月18日閲覧。
  8. ^ Alden Gonzalez (2008年11月10日). “Longoria named AL Rookie of the Year Rays third baseman caps impressive first season with top honors”. MLB.com. 2017年12月21日閲覧。
  9. ^ Bill Chastain (2009年5月5日). “Longoria's monster April nets him hardware” (英語). MLB.com. 2017年12月21日閲覧。
  10. ^ Associated Press (2009年7月2日). “American League All-Star fan voting” (英語). ESPN. 2010年5月18日閲覧。
  11. ^ Associated Press (2009年7月14日). “Rangers' Young to replace Longoria” (英語). ESPN. 2010年5月18日閲覧。
  12. ^ a b c d 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2011』廣済堂出版、2011年、38頁。ISBN 978-4-331-51518-1 
  13. ^ Ben Nicholson-Smith (2012年11月26日). “Rays Extend Evan Longoria” (英語). MLB Trade Rumors. 2017年12月20日閲覧。
  14. ^ MLBオールスターチーム、追加選手発表!来日全29選手が決定 侍ジャパン公式サイト (2014年11月7日) 2015年3月26日閲覧
  15. ^ 終盤ヒヤヒヤもMLB選抜が勝利 ロンゴリアが5回に満塁弾! | BASEBALL KING”. BASEBALL KING. 2023年3月26日閲覧。
  16. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2016』廣済堂出版、2016年、84頁。ISBN 978-4-331-52002-4 
  17. ^ Bill Chastain (2017年8月2日). “Re: Cycle! Longoria earns feat after replay” (英語). MLB.com. 2017年12月20日閲覧。
  18. ^ Daniel Kramer (2017年12月20日). “Evan sent! Longo goes West, fills Giant void” (英語). MLB.com. 2017年12月21日閲覧。
  19. ^ ジャイアンツ痛手 正三塁手ロンゴリアが死球で左手骨折 長期離脱か”. スポーツニッポン (2018年6月15日). 2018年10月7日閲覧。
  20. ^ Giants To Decline Evan Longoria's Option” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年11月27日閲覧。
  21. ^ Press release: D-backs agree to terms with Evan Longoria on a 1-year contract”. www.mlb.com. 2023年1月6日閲覧。
  22. ^ Diamondbacks To Sign Evan Longoria To One-Year Deal” (英語). MLB Trade Rumors. 2023年1月6日閲覧。
  23. ^ 130 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). Home (2023年11月3日). 2023年11月8日閲覧。
  24. ^ 2009 WBC Player Hitting StatsMLB.com 2023年3月26日閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]