おぼろづき

おぼろづきは、イネ品種の1つ。低アミロース米である。

概要[編集]

農研機構により育成された品種。北海292号の系統番号で試験に供され、2003年に水稲農林389号「おぼろづき」として命名登録された。ごく薄く白濁する特性を朧月に例えたもの[1]

アミロースの含有率は約14%で、これまでの北海道産の粳米と低アミロース米の中間ほど[2]。ほのかな甘みと独特な風味があり、冷めても硬くなりにくい[1]。2018年現在、市販されている北海道産米の中では粘りが最も強く[1]、食味試験で「コシヒカリ」に近い評価を受けている[2]。2006年の第8回米・食味分析鑑定コンクールでは、総合部門で美唄産の「おぼろづき」が、北海道産としては初めての金賞を受賞した[2]。一定の品質基準を満たしたものは、「八十九」のブランド名で販売されている[1]

2006年(平成18年)より本格的に道内での作付が始まり、ピーク時の2009年(平成21年)には作付面積が6,253ヘクタールに達するが、以後は作付が減少傾向にある。2020年現在の道内での作付面積は2,163ヘクタールで、品種別では「ふっくりんこ」に次いで第5位[3]

沿革[編集]

当初、注目されなかったが、2004年札幌テレビ放送のバラエティー番組の「1×8いこうよ!」の食味試験結果により脚光を浴び、大ブレイク。今日の作付拡大につながった。

交配組合せ:空育150号(あきほ)×95晩37(きらら397の培養変異)

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 株式会社日本食糧新聞社編『全国お米のこだわり銘柄事典』株式会社日本食糧新聞社、2018年4月1日、19頁。 
  2. ^ a b c 石谷孝佑『新版 米の事典-稲作からゲノムまで-』幸書房、2009年11月20日、149頁。 
  3. ^ 米に関する資料(北海道農政部、2021年11月)pp.22 - 25

参考文献[編集]

  • 株式会社日本食糧新聞社編『全国お米のこだわり銘柄事典』株式会社日本食糧新聞社、2018年4月10日。 
  • 石谷孝佑編『新版 コメの事典-稲作からゲノムまで-』株式会社幸書房、2009年11月20日。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]